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「LGBTの治療」禁止法案、仏で可決

Japan In-depth / 2022年2月1日 19時0分

こうした状況がようやく終わるのはミッテラン大統領の時代だ。同性愛者の権利保護を公約として掲げていたミッテラン政権がまず最初にしたことは、公然わいせつ罪及び18歳未満の性関係によって服役している同性愛者の恩赦。また同性愛を精神疾患リストから削除した。そしてついに1982年、刑法331条を改正し、同性愛を刑事法の処罰規定から削除した。これにより同性愛に関する処罰規定は消滅して、フランスでようやく同性愛の非犯罪化が実現したのである。


 


■ フランスが同性愛が非犯罪化してから40年



写真)マクロン仏大統領とシュルツ独首相 2022年1月25日


出典)Photo by Michele Tantussi - Pool/Getty Images


フランスでのその後の法的な権利は急激に向上した。1999年には、同性愛でもパートナーとして登録できるPACS(Pacte Civil de Solidarité,連帯民事契約)が制定され、2013年には、EU諸国の中で9番目の国として同性婚を認められるようになった。しかしながら、それでも現在でも、同性愛嫌悪に基づく暴力が社会に根強く残っていることも事実だ。


また、一部の宗教の宗派を中心に、現代になってもLGBTが認めらず、なんとか変えさせようと、「催眠」、「ホルモン」、「薬療法」、「電気ショック」、「悪魔払い」、または異性愛者との「強制結婚」によって治療しようと試みる行為が行われている。


この種の「治療」は、特にプロテスタントの福音派と、カトリック系一部の宗派において目立つというが、ユダヤ教やイスラム教系のものもある。こういった行為は、個人のアイデンティティを著しく傷つける行為である。そこで、今回の性自認を矯正することは違法であると法制化されたのだ。


この法制化を受け、同性愛者であるマクロン政権の欧州大臣兼中道政治家、クレマン・ボーヌ氏も、「フランスでは転向療法は禁止されています!権利と平等のための大きな勝利。この法案に投票してくれた国会議員に感謝します」とツイート。


https://twitter.com/CBeaune/status/1486023663937888261


マクロン大統領も、「性自認を矯正することを禁止する法律が満場一致で採択されました!誇りに思いましょう。これらの価値がない慣行は、共和国にはふさわしくありません。なぜなら、自分らしくあることは犯罪でもなく、治すものでもないのですから」とツイートし、この動きを称賛した。


https://twitter.com/EmmanuelMacron/status/1486033113499279360


性自認を矯正することを禁止する法律は、すでにドイツ、マルタ、スペインの各地域などの国々がこの問題について法制化しており、間もなくベルギー、オランダ、イギリスが加わる予定である。今回の法制定で、フランスもそのヨーロッパの流れに足並みをそろえる形にもなったのである。


写真)非公式のゲイプライドに参加する人たち。2020年6月27日 フランスのパリ


出典)Photo by Kiran Ridley/Getty Images


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