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中国の深刻な新生児の減少

Japan In-depth / 2022年2月4日 0時0分

▲写真 地元の公園で子供と散歩する母親ら(2021年5月12日、中国・北京) 出典:Photo by Kevin Frayer/Getty Images





ところが、公安部発表の「『2021年全国氏名報告書』公布」(『人民網』2022年1月24日付)(c)によれば、2021年12月31日現在、公安当局に戸籍を登録した新生児は887万3000人で、男性新生児は468万1000人(全体の52.75%)、女性新生児419万2000人(同47.25%)だった(ちなみに、新生児が戸籍に最も多く登録された都市<地級以上の10市>は、重慶、成都、広州、北京、<貴州省>畢節、<山東省>臨沂、<河南省>周口、深圳、西安、<河南省>鄭州の順だった)。





既述の如く、国家統計局が発表した2021年生まれの新生児数は1062万人である。けれども、公安部発表の同年生まれの(公安当局に登録された)新生児は887万3000人となっている。後者は前者に比べ、174万7000人も少ない。





なぜ、このような矛盾した数字が表れるのか不思議である。公安局に登録されていない新生児は養子に行くのか、それとも国内外へ売られるのだろうか。





ところで、前掲の国家統計局が発表した2021年の人口統計(b)をもう一度、見てみよう。





昨年の人口自然増加率は1000人当たり0.34人で、前年よりも下降した。人口増加率の鈍化は、出生人口の減少が続いているためである。それには、2つの要因が影響しているだろう。





第一に、出産適齢期の女性の数が減少し続けている。昨年の15〜49歳の出産適齢期の女性は前年より約500万人減少し、そのうち、特に21〜35歳の女性は約300万人も減少した。





第二に、出生率が低下し続けている。出産に対する認識の変化、初婚・初産年齢の遅れ(10年で約2歳遅れ)などの影響で、昨年も出産適齢期の女性の出産率は引き続き下落した。





実際、新生児の減少は、中国社会に深刻な結果をもたらすだろう。以前から言われていたように、(全人民がある程度)「豊かになる前に老いる(=高齢化する)」という現象が表面化してきたのである。





2021年末の0〜15歳人口は2億6302万人で全人口の18.6%を占める。生産年齢人口の16〜59歳人口は8億8222万人(全人口の62.5%)である。60歳以上人口は2億6736万人(同18.9%)、このうち65歳以上人口は2億56万人(同14.2%)という具合である。





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