カナダ「トラック・デモ」仏に飛び火
Japan In-depth / 2022年2月14日 23時0分
Ulala(著述家)
「フランスUlalaの視点」
【まとめ】
・カナダでコロナ規制反対の「自由の車隊」デモが欧州に飛び火。各地が対応迫られる。
・触発されたフランス・パリでは7600人超が集結し車が道路を占拠。警察は催涙弾も投入。
・デモは「黄色いベスト」運動の様相。参加者の共通点は「うんざり」感か。
フランス・パリ中心部で12日、カナダで行われた新型コロナウイルス規制に反対するトラック運転手による「自由の車隊」デモに触発された人々が集会をおこなった。
この集会については、フランスのクレマン・ボーヌ欧州問題担当相が9日に、「それは恥と利己主義の列」彼らは「愛国者」ではなく「無責任者」です。「市民の生活を妨害しておきながら自由を装うとは矛盾している」と、非難しており、パリ警察は10日にはすでに、参加者による道路の封鎖を禁止すると警告していた。そして当日には、警官7200人近くが動員され、装甲車や放水砲も配備された。
また、「自由の車隊」を呼びかけるfacebookページには、一時は36万人が登録していたが、フランスでも他の国と同様に、「自由の車隊」に関連するグループ、個人アカウント、ページが次々と削除された。これらはいくつかのルールに違反しており、特にスパム行為が問題とされたのだ。
しかしながら、デモ禁止令や、マクロン大統領の最大限冷静をとの呼びかけにもかかわらず、内務省の発表によれば、12日には各地からパリに7600人以上が集まり、パリの凱旋門の前をデモ隊の車が占拠し交通が妨害された。
シャンゼリゼ通りでは、「マクロン辞職しろ」と連呼する声が響き、警察の車への妨害も行われた。また、まかれた催涙ガスは通り沿いのレストラン内にも影響を及ぼして、テラス席にいた客が避難する姿も見られた。最終的には、警察との衝突は9時間におよび、午後10時過ぎまで続いたのだ。
▲写真 シャンゼリゼ通りは、デモ隊を解散させるための催涙弾で覆われた。(2022年2月12日 仏・パリ) 出典:Photo by Sam Tarling/Getty Images
パリ警察本部によれば、この日パリで97人が逮捕され、513人に罰金が科されたとしている。(参照:パリ警察本部ツイッター)
■ どちらかと言えば、黄色いベスト運動に近い動き
かなりの警戒をしたのにもかかわらず、このような激しい展開になった「自由の車隊」の集会だが、参加している人々はどういった人たちだったのだろうか。新型コロナウイルス対策の規制に反対する人たちによるものとされているが、どちらかと言えば黄色いベスト運動に近い集まりだとも言われている。集会で連呼されていた「マクロン辞職しろ」というのも、黄色いベスト運動のメンバーが中心になっていた。
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