カナダ「トラック・デモ」仏に飛び火
Japan In-depth / 2022年2月14日 23時0分
実際に、SNS上には「自由の車隊」の集会の主催者の1人として黄色いベスト運動のシンボルとして活躍したジェローム・ロドリゲス氏が名前を連ねている。(参照:『「黄色いベスト運動」の人々(下)』2019年3月30日 )
ロドリゲス氏は、1月23日にベルギーの首都ブリュッセルで行われた大規模な新型コロナウイルスの感染防止策やワクチン接種に抗議するデモにも参加しており、積極的な活動を各地で繰り広げている人物だ。
この日、車でブロックされたシャンゼリゼ通りにもその姿を現したが、最終的には、シャンゼリゼ通りから一歩入った道にあるエリゼ宮殿の近くで逮捕された。
▲写真 黄色いベスト運動で中心的に活動したジェローム・ロドリゲス氏(眼帯をし、拳を上げている人物)2019年2月2日 仏・パリ 出典:Photo by Omar Havana/Getty Images
フランス・アンフォのマシュー・スラマ氏によれば、集会への参加者は多種多様にあふれているという。自由の問題であれ、購買力の問題であれ、民主主義の問題であれ、みんなが現状に「うんざり」しているということ以外、共通点がない集団だ。なかには、ワクチンパス反対者もいれば、極右、極左、右派、左派、なんでもありで、陰謀論者もいるが、陰謀論者だけとは言い切れない。
要するに、黄色いベスト運動時に爆発した時の一般的なうんざり感、特に社会的なうんざり感が再び表れている結果ともみられている。特に、この2年間は新型コロナウイルスの感染拡大のために、強制的な規則とともに特別な期間を過ごしてきたという事実も大きく影響を与えているのは間違いない。
パリでのデモを終えた「自由の車隊」は、その後、14日のデモに向けてベルギーを目指した。ブリュッセル市長も、車列のブリュッセル進入を禁止すると発表。
カナダで始まった新型コロナウイルス規制反対デモが飛び火した欧州では、現在、各国が対策を強いられているところなのである。
<参考>
・『“自由の車隊” パリで81人が拘束される』
・『“自由の車隊”「パリは単なる舞台だった」』
・『≪自由の車隊≫ パリに入らず』
・『≪自由の車隊≫ エリゼ宮付近で「黄色いベスト」運動のジェローム・ロドリゲスが尋問を受ける』
・『フェイスブックが“自由の車隊”グループ管理者を禁止に』
・『“自由の車隊” マシュー・スラマによれば、「うんざり」以外に共通点なし』
トップ写真:カナダの「トラック・デモ」に触発され、政府のコロナ規制に反対する車両デモは凱旋門前でも行われた。(2022年2月12日 仏・パリ) 出典:Photo by Sam Tarling/Getty Images
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