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「石原慎太郎さんとの私的な思い出 1」続:身捨つるほどの祖国はありや 14

Japan In-depth / 2022年2月15日 11時0分

「亡くなる前お母さんに、つまらないつまらないこれなら死んだほうがましだってよくいっていたそうよ。どうしてそんなにつまらないのって質したら、ノーベル賞は川端さんにいっちゃうし、石原は政治家になっちゃうしって子供みたいに駄々をこねていたそうですよ。」





石原さんの感想は、「簡単にいえば、どうやら私は三島氏が欲しがっていた玩具を奪ってしまったことになるようだ。」ということになる。





玩具、と聞いて、石原さんのファンなら、すぐにピンとくる。『太陽の季節』である。





「彼女は死ぬことによって、竜也の一番好きだった、いくら叩いても壊れぬ玩具を永久に奪ったのだ。」という末尾近くの一節である。





どうしてどちらも「玩具」という言葉になるのか、不思議な気がする。三島由紀夫にとっての国会議員たる地位も、死んでしまった好きだった女性のことまでも。





石原さんは私の小説なども読んでくださって、





「牛島さん、あなたの小説は男と女のことが書けてない。いいですか、この世のことはすべて男と女なんですよ。」と諭されたものだった。





そう言われて私は、「それはそうかもしれません。しかし、私には男女のことよりも、組織と個人のことが気にかかってならないのです。」





と答えたことがあった。度し難い奴だと思われてしまったかもしれない。





(続く)





トップ写真:石原慎太郎氏(2009年10月) 出典:Photo by Peter Macdiarmid/Getty Images

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