朝日新聞とヒトラー その6 「安倍首相はヒトラーと組む」のか
Japan In-depth / 2022年2月24日 11時0分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・2017年9月、朝日新聞は当時の安倍首相をヒトラーと重ねる記述をまた紙面に登場させた。
・その中で、昭和史研究家半藤一利氏は、北朝鮮が引き起こす日本への災禍は安倍氏の「自作自演」だとも書いた。
・半藤氏のゆがんだ見解をこれほど大々的に報じる朝日新聞の思惑もこれまた大きくゆがんでいる。
前回は朝日新聞が自社の記者の「ナチス支持者は安倍晋三支持者」という発信を撤回し、不適切だったと謝罪した実例を紹介した。2015年8月の出来事だった。だから朝日新聞としては「安倍晋三=アドルフ・ヒトラー」というデマゴーグ的な図式はもう描きません、という宣言とも思えた。
ところがそれから2年後の2017年9月、朝日新聞は当時の現職の安倍首相をヒトラーと重ねる記述をまたまた紙面に登場させたのだった。性懲りもなく、と言わざるをえない。というよりも、2015年の対応はウソだったのかと、問いたくなる。
こんどの舞台は朝日新聞2017年9月28日朝刊だった。「オピニオン&フォーラム」というページである。「岐路に立つ平和」というタイトルの記事だった。見出しは「『国難』は自作自演 勇ましい首相発言 和平壊した過去も」(編集部注:リンクは朝日新聞ウェブ版)となっていた。長文のインタビュー記事で、語り手は昭和史研究家の半藤一利氏だった。
半藤氏は著名な昭和史の専門家で、2021年1月に90歳で亡くなった。ただそれまでは本職の昭和史研究以外でも朝日新聞にたびたび登場して、自民党政権や安倍晋三氏への批判を述べることが多かった。いわゆる朝日文化人の一員だった。朝日新聞は自社の主張に沿った各界の特定人物を紙面に登場させて、自分たちの立場を代弁させる慣行でも知られている。
半藤氏のこの安倍氏糾弾は北朝鮮が引き起こす日本への災禍について安倍氏の「自作自演」だというのだから、過激だった。というより異様だった。そんな安倍非難が朝日新聞の朝刊のほぼ1ページすべてを使って紹介されていたのだ。
▲写真 弾道ミサイルを発射する北朝鮮(2017年9月15日) 出典:Photo by South Korean Defense Ministry via Getty Images
その半藤氏の発言には以下の内容があった。
《日本には唯一の被爆国として、核戦争の悲惨さを米国、北朝鮮両国に言って聞かせられる資格もある。それらを発揮せずに、ただトランプ大統領に寄り添っている。第2次世界大戦を始めたドイツのヒトラーと組んで三国同盟を結び、破局を導いた時代が脳裏に浮かびます≫
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