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日本語は乱れているのか(下)日本の言論状況を考える その4

Japan In-depth / 2022年2月24日 18時0分

ただ、これはあくまで意表を突かれたという評価で、こうした表現が日本語の中に定着して行く見込みはまずないだろう。具体的には、ビジネスの世界で「……なう」や「www」が認知される日など、未来永劫に来ないと思う。





また、少し前までネットというのは匿名の世界で、差別発言から殺害予告まで、無政府状態というに近かったが、今はむしろ問題がある(と見なされた)投稿はたちまち炎上する、という傾向になっている。





つい先日も「たぬかな」と名乗る女性プロゲーマーが、





「170ないと(身長170センチ未満だと)正直人権ないんで。170ない人は『俺って人権ないんだ』って思いながら生きてってください」





などと発信し、炎上したあげく、所属チームから契約解除されるという騒ぎが起きた。





私が前回、最後の方で「美人はなにをしても許される」などと書いたのは、この騒ぎのことが念頭にあったからだ。





「たぬかな発言」自体は、とりたてて目新しいものではないのだが、不特定多数が目にする電子メディアでは、やはり言ってよいことと悪いことがあるだろう……こう書けば、お前はどうなんだ、というリアクションが当然予想されるので、





「少なくとも私は〈ブスに人権はない〉などという発想には立っていない」





とでも斬り返そうと考えていたのである。





しかし、ITジャーナリストの篠原修司氏が18日付でヤフーニュースに寄稿した記事を読んで、目からうろこが落ちた気分になった。





もともとゲーマーの世界では「人権ない」というのは、スラング(俗語)として普通に使われていたのだという。





ゲームで、あるステージをクリアするのに必須のアイテムを「人権キャラ」と呼び、人権がない、というのは単にそのステージに挑戦する資格がない、といったほどの意味なのだとか。









▲写真 PCゲームを競うゲーマーたち(イメージ) 出典:Photo by Christian Petersen/Getty Images





つまり彼女は、自分の恋愛対象は身長170センチ以上の男性に限ると言いたかっただけなのだが、愚かにもゲーマーの間でしか通用しないスラングを用いたため、ヘイトスピーチだと糾弾される憂き目を見たたわけだ。そう言えばツイッターで、





「いつもの身内ノリで言葉が悪くなっちゃいました、ごめんなさい~」





などと謝罪していた。時すでに遅し、であった上、これのどこが謝罪だ、と受け取られて火に油を注ぐ結果となってしまったが。





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