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外来語と和製語について(下) 日本の言論状況を考える 最終回

Japan In-depth / 2022年2月28日 23時0分

前述のように、もともと英語でも「サラリーマン」で通用していたのだが、これまた色々と読んでみると、1920年代あたりまでの話で、今では仕事、もとい、死語となっている。誤変換があまりに面白かったので乗ってしまった笑。





現在では、アメリカ英語では「オフィスワーカー」が一般的で、イギリス英語では職種に関わりなく「ビジネスマン」と呼ぶのが一般的だ。





OLも今や、日本語の一部になっていると言ってよいと思うが、こちらも前回の東京オリンピックあたりまでは「BG=ビジネスガール」などと呼ばれた。しかし、アメリカ英語でBGというのはおかしな意味になりかねない、具体的には世界最古の職業に従事する女性を意味する隠語として使われている、との情報がもたらされた結果、オフィスレディの頭文字であるOLに言い換えられたと聞く。





こちらも英語では単にワーキング・ガールWorking girlで、そのものズバリのタイトルにて、とても面白いハリウッド映画が公開されている(1988年公開。主演はメラニー・グリフィス、ハリソンフォード)。ただし、ジェンダーの問題に敏感になった現在の英語圏では、一般的に使われているとは考えにくい。





前回私が、和製英語をただそうというのはよいが、そもそもなにをもって「正しい英語」と定義づけるのか、と述べた意味が、これでお分かりいただけるだろうか。





真面目な話、ロンドンのシティあたりで、自分はオフィスワーカーである、などと名乗ったら、清掃係かなにかかと誤解される可能性さえあるのだ。





もうひとつ私が問題にした、ネットユーザーが流行らせた言葉だが、むしろこちらの方がインターナショナルになるのではないだろうか。





今時コンピューターを電子計算機と言う人は、まずいないと思われるし、スペイン語でもordenadorという単語はあるが(これも語源は〈会計〉である)、ラップトップで間違いなく通用する、という具合だ。本誌の読者には今さら蛇足の説明であろうが、ノートパソコンというのも和製英語である。





住所もスペイン語ではdirecciónだが、これも「電子的な住所」の場合はメールアドレスでちゃんと通じる。ついでに言えば、MangaとAnimeもそのまま通じる。Comicとかいう単語もあるのだが、日本製は別格の扱いを受けているのだ。





そうかと思えば、最近の中国では、





「和製漢語なくして今の中国語会話は成り立たない」





と言われているそうだ。YouTubeに在日の中国人姉妹が投稿した動画で知った。





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