露のウクライナ侵攻を知っていた中国
Japan In-depth / 2022年3月11日 15時51分
思えば、2008年、北京夏季オリンピック期間開催中(8月8日〜24日)、ロシアはグルジア(現、ジョージア)と戦争をした。いわゆる「南オセチア紛争」(8月7日~16日)である。この時、五輪期間中だった中国は、不快な思いをしている。
そこで、今回、習近平主席がプーチン大統領を北京冬季オリンピックに招き、五輪期間中、ウクライナへ侵攻しないという約束を取り付けたのではないか。その代わり、中国はロシアから膨大な量の天然ガスを買い付ける契約を交わした(d)のだろう。
ところで、中国は表面上、ロシア支持を否定している。例えば、中国外交部の華春瑩報道官は、「米国はロシアが中国の支援を受けて動いている事を暗に示唆した件について、ロシアはそのような言い方を聞き不快に思うだろう」(e)と述べた。
他方、駐フランス盧沙野中国大使は「米ホワイトハウス報道官は・・・中国が背後でロシアを支持してこそ、ロシアは行動することができると示唆した。だが、これはまったくナンセンスだ」(f)と米国を厳しく非難している。
けれども、実際、中国はロシアを暗に支持(g)しているのではないか。そのため、国際社会から中国に対して圧力が強まる中、3月8日、中仏独の3ヶ国首脳会議行われた。だが、習主席は「仲介役」を申し出ることはなかった。ただし、中国は、ウクライナに対し中国赤十字社を通じて人道的を行っている(h)。
中国にとって、ロシアとウクライナは経済的に重要な国である。両国の戦争が長引けば、中国経済が悪化する公算が大きい。仮に、習主席が両国の「仲介役」を買って出ても、その立ち位置は微妙となるだろう。中国はどちらか一方の国に、肩入れできないからである。
(注)
(a)『ニューヨークタイムズ(中文網)』「情報によれば、中国はロシアに冬季五輪以降に侵攻を延期するよう要求したという」(2022年3月3日付)
(https://cn.nytimes.com/world/20220303/russia-ukraine-china/)
(なお、英語版は同3月2日付)。
(b)(中文の総合ニュースサイト)『阿波羅新聞』「中国共産党の極秘情報流出!反習派、習近平の背後にナイフを突きつけたか?」(2022年3月3日付)
(https://www.aboluowang.com/2022/0303/1715955.html)。
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