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ウクライナの中国に対する本音

Japan In-depth / 2022年3月15日 19時38分

ウクライナの中国に対する本音




澁谷司(アジア太平洋交流学会会長)





【まとめ】





・米ワシントンポスト、「ウクライナは中国の近代軍事建設を支援。だが、戦争が起こると中国はロシアを選ぶ」と題する記事掲載。





・ウクライナは、中国の近代的な軍隊創設に貢献したにもかかわらず、支持を得られなかった事に失望。





・ウクライナは安全保障問題で中国と一線を画しながらも、中国との経済協力を継続する「ドイツモデル」を見習おうとしている。





 





今年(2022年)2月24日、ロシアのウクライナ侵攻で、両国と関係の深い中国の出方が注目された。





3月9日、米『ワシントン・ポスト』紙は「ウクライナは中国の近代軍事建設を支援。だが、戦争が起こると、中国はロシアを選ぶ」(a)という興味深い記事を掲載した。中国とウクライナの関係が詳しく書かれている。その記事を紹介したい。





内容は (1)ウクライナの中国への期待と誤算、(2)ウクライナによる中国への軍事援助、(3)中国ウクライナ関係の変遷、(4)最近の中国ウクライナ関係、で構成されている。





第1は、ウクライナの中国への期待と誤算である。





ウクライナは、同国内に中国企業が存在し、中国から巨額投資を受けていれば、ロシアが侵攻して来た場合、そのエスカレートを防止できるという読みがあった。また、キエフとしては、ロシアが同国内の中国企業を砲撃しないという期待もあった。





だが、ロシアがウクライナへ侵攻した際、キエフは、中国の近代的な軍隊創設に貢献したにもかかわらず、北京から支持を得られなかった事に失望している。





実は、ロシアのウクライナ侵攻後、キエフは中国に停戦の協力を求めたという(キエフは、未だ北京が停戦に向け仲介に動くとの期待を抱いている)。けれども、今年2月、習近平主席は公然とプーチン大統領と連携したため、キエフの北京への信頼性が低下した。そして、今に至るまで、中国は停戦のための仲介役を買って出て来ていない。





第2は、ウクライナが中国へ行った軍事援助(詳細は不明)である。





まず、中国はウクライナから空母「ヴァリャーグ」を購入した。





1998年、香港在住の実業家、徐増平(中国軍の元バスケットボール選手)は「空母を世界最大の水上ホテルとカジノにしたい」という建前でウクライナへ行き、その購入交渉を行っている。徐増平は、その空母を中国へ牽引することに成功し、中国軍に引き渡した。その後、2012年、空母「ヴァリャーグ」は「遼寧」として就役している。





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