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仏、物価急騰とウクライナ難民に直面

Japan In-depth / 2022年3月22日 23時0分

仏、物価急騰とウクライナ難民に直面




Ulala(著述家)





「フランスUlalaの視点」





【まとめ】





・仏で消費者物価が上がり続けており、金融危機直前の2008年半ば以来の水準となっている。





・仏には1万5千人がすでに到着しており、海外に避難したウクライナ難民の全体の0.4%ほどがフランスに来ていることになる。





・仏国内では、難民に対する受け入れや、学校教育に向けて試行錯誤を行っている。





 





ロシアとウクライナの戦争は、ヨーロッパでは対岸の火事ではない。現在、戦争が始まったことで受ける影響が徐々に大きくなりはじめている。物価も高騰し、フランスでも「賃金と年金を除いて、すべてが値上がりした。」と、国民からため息交じりの声が聞かれるようにもなってきた。連日フランスのテレビでは、ありとあらゆる「節約方法」がテレビで紹介されている。





■ ロシアとウクライナの戦争の物価への影響





フランスではモノの値段が急激に上がった。INSEE(フランス国立統計経済研究所)が発表したデータによれば、消費者物価は1月には2.9%、2月には3.6%上昇。さらに3月には4%を超える可能性があり、これは、金融危機直前の2008年半ば以来の水準となる。









▲写真 フランスでガソリン価格が過去最高を記録(2022年3月2日、フランス・パリ) 出典:Photo by Chesnot/Getty Images





特に影響が大きいのは、エネルギー価格だ。中でも原油価格は月間を通じて加速度的に上昇し、前年同期比21%増となった。また、エネルギー以外にも、すべての原材料、特に金属資源が大きな影響を受けている。ロシアは金属の主要な生産国であり、アルミニウムにおいては1トンあたり3400ドル以上に急騰した。





また、工業製品、建築の材料の価格もすでに大幅に上昇している。たとえば、眼鏡の価格は1月から少なくとも10%または15%の上昇。陶器、タイル、またはレンガの価格は25%上昇。鉄骨の補強は15%。コンクリート鉄筋25%。溶接金網25%。手すり7.5%。継手、プロファイル、チューブ15%。溶接パネル15%。しかも、これらの価格変動は非常に早く、時には48時間以内に変更されることもある。





繊維部門も物価高騰の影響を受けている。今後、衣料品の価格も5%から20%上昇する可能性がある。すでに、新型コロナウィルス拡大の影響を受けて、コンテナ輸送の値段も2倍に高騰したうえ、ポリエステルの原材料価格が20%増、綿が50%となった。これにより500〜1000社の企業が影響を受け、一部の企業は、閉鎖または部分的な失業対策を検討しているところだ。





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