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仏、物価急騰とウクライナ難民に直面

Japan In-depth / 2022年3月22日 23時0分

さらに、小麦の価格も35%上昇。1トンあたり340ユーロで歴史上前例のないものとなり、フランス人の主食でもあるバゲットやパン類を値上げするところもでてきている。小麦だけではなく、トウモロコシの価格も上昇した。トウモロコシは世界で最も広く栽培されている穀物の1つだが、ウクライナは世界で4番目に大きな輸出国であり、ヨーロッパ市場の45%を供給している。その結果、トウモロコシの価格は1トンあたり100ユーロの値上がりとなった。今後、これらを原材料にした、あらゆる食品の値段が上がることはまちがいないと言えるだろう。





こういった物価の上昇は、特に、最も不安定な若者、一時労働者、パートタイムの従業員、退職者の購買力に影響を与えることになる。インフレ率が4%以上になる可能性を踏まえ、最低賃金は夏までに約30ユーロ増加をもとめるデモも行われた。





■ ウクライナからの難民の増加





国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は19日、戦争がはじまった先月24日から、ウクライナから国外に避難した人数は332万8692人になることを発表した。ヨーロッパでは、第2次世界大戦以来、これほど急激な難民の流失が起こったことはない。





UNHCRによれば、難民の60%はポーランドで受け入れられている。難民のほとんどは主に子供と女性である。18〜60歳の男性は徴兵の対象となっているため、出国できないからだ。





またモルドバやルーマニアやハンガリーでも多く受け入れられているが、一時的に安全を確認できた難民は、その後、他の国に向かう場合も多く人数は流動的だ。なお、約5%は、ロシアに向かった。 





フランスでももちろん難民は受け入れられている。マルレーヌ・シアッパ市民権担当大臣によれば、フランスには1万5千人がすでに到着しており、海外に避難したウクライナ難民の全体の0.4%ほどがフランスに来ていることになる。ウクライナ周辺国よりは少ないとはいえ、それでもすでにかなりの人数だ。





2021年にフランスに難民申請された人数は、10万3千人だ。その中で一番人数の多い国籍はアフガニスタンで、1年間に難民申請をしたのが1万2千500人だった。その人数から考えても、現在フランスに来ているウクライナからの難民の多さをうかがい知ることができるだろう。しかも、この1カ月ほどの短期間での人数である。





受け入れられた難民は、3年間更新可能な、6カ月有効の滞在許可書を持つことができ、健康保険などに入れるとともに、426ユーロの補助と受託援助を受けることができる。





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