1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

反戦ロシア人の声を聞け   「プーチンの戦争」をめぐって その3

Japan In-depth / 2022年3月23日 18時0分

 ところがプーチン大統領がとった手段は、最悪のものでした。日本の皆さんもご存じのように、ロシア系住民が多いクリミア半島に、ロシアだけが承認する独立国を作って、実効支配してしまったのです。


――あの時もプーチン大統領は、クリミア半島はもともとロシア領だった、と主張しました。どういう経緯でウクライナ領になったのでしたっけ。


アンナ 1954年に、当時のフルシチョフ首相がウクライナに割譲しました。詳しい事情までは私にも分かりませんが。


――それで2014年のクリミア半島の騒乱となったわけですが、あの時NATO(北大西洋条約機構)がなにもできなかったから、プーチンもウクライナ侵攻を決意した、というのが、もっぱらの見方です。やはり同じように思いますか?


アンナ それもまた難しいところですね。軍事力でもってロシアを止めようとすれば、第三次世界大戦になってしまいますから。


 今回の戦いもそうですけれど、私たちは今、第三次世界大戦の瀬戸際に立たされているのだと思います。そうしたことも視野に入れて、もっとも犠牲が少なくて済む問題解決の道を探るべきです。


――我々日本人は、そのためになにができるでしょうか。


アンナ まずは私たちと一緒に


「ロシアはただちに戦闘行為を停止せよ」


 と声を上げて下さい。


 プーチンが聞く耳など持つものか、と言う人もいますけど、なにもしなければなにも始まりません。


もうひとつ言いたいのは、私はあらゆる戦争に反対していますので、ただ単に


「ウクライナ頑張れ」


と言うだけでは、戦争を止める力には結びつかない、と考えるのです。



 


写真:ロシア国内のショッピングモールでは、経済制裁の影響で品薄が深刻化している(2022年3月16日、ロシア・モスクワ)


出典:Photo by Konstantin Zavrazhin


―― 経済制裁については、どうですか?


アンナ これも、なにもしないよりはよいのでしょうけれど、効果が出るのは1年後くらいになるでしょうね。その後も、たとえば北朝鮮やイラン、かつてのソ連もそうでしたけど、制裁だらけでまともな経済活動などできなくなっても、穴にこもるようにして政権を維持していますから。


 それから、経済制裁にも色々な段階があるわけですが、ロシアの一般市民には一定の配慮をして欲しいと思います。今回の戦争は、あげてロシア政府に責任があるので、ロシアの一般市民はなにも悪いことをしていません。選挙でプーチンを選んだではないか、と言われるかも知れませんが、その選挙自体が不正だったのではないか、と多くの人が考えています。なにしろ彼が3度目の当選を果たした際、その得票率は146%だったのですから。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください