裸の王様プーチン ロシア軍が「お粗末」なわけ
Japan In-depth / 2022年3月30日 23時4分
テレビ番組である識者が、このバイデン発言は「内政干渉であり、一国の大統領に対し失礼だ」などとコメントしていたが、問題は「失礼か否か」ではない。「プーチン失脚」は夢だが、それを言っちゃあ終わりだよ。米露関係が険悪化するだけで、何の利益もない。その意味ではバイデンはルビコンを渡り、プーチンに喧嘩を売ったのだ。
関係者が苦労して取り纏めた格調高い「民主主義」演説も最後の「アドリブ」で大いにケチが付いてしまった。早速ホワイトハウスは「大統領の発言はロシアの政権交代を意図したものではない」などと火消しに追われたが、これも筆者が懸念する「勢いと偶然と判断ミス」の一つだろう。放言癖のジョー・バイデンはまだまだ健在である。
写真)ロシア軍の攻撃を受けたウクライナ・ハリコフの様子(2022年3月28日)
出典)Photo by Chris McGrath/Getty Images
それにしても、ウクライナ戦争はいつまで続くのか。仮に「停戦」合意に至っても、「停戦」は破られるためにあり、真の「休戦」は当面難しいのではないか。今週の政治プレミアでは、時々の戦況に一喜一憂することなく、ウクライナ戦争後に国際情勢が如何に変化するかを論じている。ご関心がある向きはご一読願いたい。
今週もウクライナ戦争以外の気になる各地のニュースを見ていこう。
〇アジア
官房長官は24日の北朝鮮が発射したICBMを「新型」とする日本の分析は変わらないと述べた。理由は「飛行高度などを含め、諸情報を総合的に勘案した結果、新型」だというのだが、米韓両国は「既存の火星15型」だとしている。いずれにせよ、北朝鮮のICBM級弾道ミサイル開発は粛々と進んでいることだけは確かだ。
〇欧州・ロシア
欧州がロシア産ガス依存からの脱却を図る中、世界のエネルギー供給市場は再編されつつある、とFTが報じた。いずれは米国が大西洋経由でのガス輸出を増やし、オーストラリアとカタールがアジア向け供給を拡大するという。LNGの新規設備ができれば、それも可能になるのだろうが、中国は如何に動くのだろうか。
〇中東
先週に続き、イスラエルが外交攻勢を強めている。26-28日、同国南部でアラブ首長国連邦、バハレーン、モロッコ、エジプトと米国の6カ国の外相会合を開いた。当初アラブの対イスラエル関係改善は経済的理由だと分析する向きもあったが、最近の動きは明らかに安全保障面の協力強化だ。中東の勢力図は変わりつつある。
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