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「核共有」議論はよいが…… 「プーチンの戦争」をめぐって その6

Japan In-depth / 2022年3月31日 23時0分

 以上を要するに、日本がNATOに倣った核共有に踏み切ったならば、ロシアや中国にとっては「逆キューバ危機」と呼ぶべき事態に他ならない。領土問題などの火種にわざわざガソリンをぶっかけるような真似をして、なにが「国民の安全」なのか。


 もうひとつ、野党の側も「非核三原則の堅持」一点張りではなしに、こうした具体的な論争で政府与党を追求することが、どうしてできないのか。


 ……などと思っていたのだが、自民党の方が早かった。3月16日、党内の会合で議論がなされたが、出席者の証言では、核共有に「積極的な意見は出されなかった」とか。


 この結果、今年5月をめどにまとめられる、国家安全保障戦略などの見直しについての提言にも「核共有は盛り込まない」(宮澤博行・国防部会長)方針であると、NHKなどが報じた。


 岸田首相も早々と「非核三原則は堅持する」意向を表明しており、「安倍=橋下ライン」の発言は、空振りに終わった感がある。



写真)記者会見にてロシアの最恵国待遇を取り消すと表明した岸田首相。2022年3月16日。


出典)Photo by Stanislav Kogiku - Pool/Getty Images


 これにて一件落着、とは言い切れないところが、今の政治の闇が深い。ところで、いわゆる永田町ウォッチャーたちによれば、安倍元首相は、被爆地である広島を選挙地盤とする岸田首相が、はなから核共有論など受け容れるはずがないと承知の上で、あえて「タブーなき議論を」などと言い出したのではないか、と見る向きが少なくないそうである。


 このところ、政策面で「安倍離れ」が疑われる岸田首相に揺さぶりをかけるのが目的であったとか。


 所詮は無責任な噂の類いだと言ってしまえばそれまでなのだが、もし事実の一端なりとも含まれているのだとしたら、とんでもない話である。


 戦争や核兵器の問題を政争の具として利用するなど、亡国以外のなにものでもない。


トップ写真)オリンピック功労賞を首から下げる安倍元首相。2020年11月16日。


出典)Photo by Kim Kyung-Hoon-Pool/Getty Images


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