1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

中国 コロナ再流行でまた住民から抗議

Japan In-depth / 2022年4月6日 15時48分

中国 コロナ再流行でまた住民から抗議


澁谷司(アジア太平洋交流学会会長)





【まとめ】


・3月22日現在、28省市にコロナ蔓延。上海市のロックダウンには共産党幹部の様々な思惑が交錯か。


・孫副首相がすぐに上海市へ行かなかったのは、上海市トップの李強に気兼ねした公算が大きい。


・上海市のロックダウン長期化なら、習主席が推しても李強の中央入りは難しいのではないか。


 


今年(2022年)3月22日現在、コロナが中国28省市(全31省市中)に蔓延している(a)。3月1日から21日、中国の累計感染者は4万1000人を超えた。


既報の通り、今年1月、西安市、天津市、深圳市では、中国当局のロックダウンに抗議する住民運動が起きた。


西安市では、昨年12月下旬からロックダウンが開始された。それ以降、市民は高いデリバリーフードを買わされ、住民の怒りが頂点に達し、抗議運動が起きている。


また、天津市では、出稼ぎに来ている農民工が食料の配給を受けられなかった。そのため、抗議デモを行ったのである。更に、深圳市では、当局のロックダウンに対する反発が強く、住民が公安と衝突した。


今年3月、今度は吉林市、上海市、深圳市(大亜湾周辺)で、ロックダウンに対する抗議、ないしは抗議運動が起きている。


3月13日(〜16日)、孫春蘭副首相(医療・衛生担当)が長春市を訪問(b)した。また、同月27日(〜28日)、孫副首相は、再び吉林市を視察に訪れている。しかし、その際、2020年3月、武漢市訪問時同様、孫副首相は住民から厳しい批判を浴びている(c)。



写真)孫春蘭副首相(2013年3月)


出典)Photo by Lintao Zhang/Getty Images


他方、深圳市周辺の大亜湾では「大亜湾独立」を訴える人々まで現れた(d)。そして、彼らは公安と戦うため、「しっかり石を準備せよ」と住民に呼びかけている。


さて、上海市内には黄浦江が流れているが、その東側は浦東、西側は浦西と呼ばれる。3月28日、上海市当局は、浦東から96時間のロックダウンを始めた。次に、4月1日から浦西で96時間のロックダウンを実施する予定だった。だが、浦西の大多数の地域でも予定を前倒しにして、3月29日からロックダウンを始めた(e)。


上海でコロナが再び蔓延して以来、1ヶ月間で2万人以上が新たにコロナ感染(f)している。4月2日、孫副首相が上海市を視察し、「動態(ダイナミック)ゼロコロナ政策」の堅持を強調(g)した。しかし、上海市住民は、ロックダウンにより、不自由な生活を強いられている。そのため、同日、1人の住民が防疫員と喧嘩した際、「共産党打倒」を叫んだ(h)。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください