中国 コロナ再流行でまた住民から抗議
Japan In-depth / 2022年4月6日 15時48分
目下、上海当局は、外出と移動を厳しく制限している(i)。また、全市民へコロナウイルス検査を受けるよう命じた(j)。ただし、この措置に対し、市民の間からは怒りの声が上がっている(k)。
ところで、上海市のロックダウンについては、共産党幹部らの様々な思惑が交錯しているように見える。
そもそも、なぜ孫副首相は、すぐに上海市へ行かず、吉林省へ2度も足を運んだのか。おそらく、上海市トップ(党委員会書記)の李強に気兼ねした公算が大きい。
写真)李強氏(中国共産党中央政治局委員・上海市委員会書記)(2019年3月)
出典)Photo by Lintao Zhang/Getty Images
習近平主席としては、今秋の第20回党大会(第3期目)以後、新人事で、李強を首相、あるいは副首相に登用するつもりかもしれない。そこで、習主席は上海市でロックダウンを実施し、李強の“実績作り”を試みているのではないか。
けれども、上海市でロックダウンが延長された。同市が、いつまでもロックダウンを続ければ、李強は「反習派」によって、上海市の「ゼロコロナ政策」失敗を攻撃されるだろう。そうなると、いくら習主席が李強を推しても、李強の中央入りは難しいのではないだろうか。
(注)
(a)『中国政府網』「今回のコロナは28省市に波及した!最新情報」(2022年3月23日付)
(http://www.gov.cn/fuwu/2022-03/23/content_5680736.htm)。
(b)『新華社』「孫春蘭吉林での調査研究:勝利への確固たる自信と一刻も早いコロナの制御」(2022年3月16日付)
(http://www.gov.cn/guowuyuan/2022-03/16/content_5679435.htm)。
(c)『新頭殼newtalk』「吉林のロックダウンに対する人々の不満は大きい 高官(孫春蘭副首相)は当地訪問時、民衆から“食べるものがない”と抗議を受けたが、知らない振りをする」(2022年4月1日付)
(https://newtalk.tw/news/view/2022-04-01/732802)
(d)『RFA』「評論 陳光誠:中国共産党の極端な『ゼロコロナ政策』に人民は我慢できない」(2022年3月28日付)
(https://www.rfa.org/mandarin/pinglun/chenguangchengboke/cgc-03282022101133.html/ampRFA)。
この記事に関連するニュース
-
対中強硬派ぞろいのトランプ米次期政権に紛れ込んだ「親中」マスク氏、「どう動く」と米誌
Record China / 2024年11月23日 8時0分
-
日中首脳会談が開催。習近平政権が石破政権に歩み寄る三つの理由
トウシル / 2024年11月21日 7時30分
-
対中強硬派ぞろいのトランプ政権に紛れ込んだ「親中」イーロン・マスクはどう動く
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月18日 18時24分
-
中国首相、各国首脳と会談 輸入博、一帯一路で連携
共同通信 / 2024年11月7日 0時10分
-
中国首相「開放加速し単独主義に対抗」、成長目標達成に自信も
ロイター / 2024年11月5日 13時13分
ランキング
-
1八戸5歳女児死亡の初公判、検察側「母親らは一日一食しか与えず隠れて食べていた女児に暴行」
読売新聞 / 2024年11月26日 15時45分
-
2【速報】共同通信の社長が外務省に謝罪 生稲晃子外務政務官の靖国参拝めぐる誤報問題で
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月26日 19時51分
-
3求人サイトで公募した市長後継候補、原因不明の急病で辞退…あす現市長が記者会見
読売新聞 / 2024年11月26日 16時1分
-
4コロナ新しい変異株「XEC株」はどんなウイルスか 「冬の対策とワクチン接種の是非」を医師が解説
東洋経済オンライン / 2024年11月26日 9時0分
-
5石川県西方沖でM6.4の地震 最大震度5弱 津波被害の心配なし
ウェザーニュース / 2024年11月26日 22時47分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください