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子ども宅食を高岡市に「高岡発ニッポン再興」その3

Japan In-depth / 2022年4月15日 15時44分

子ども宅食を高岡市に「高岡発ニッポン再興」その3


出町譲(高岡市議会議員・作家)


【まとめ】


・富山県高岡市で、ひとり親家庭や就学援助を受ける家庭を対象に「子ども宅食」が展開されている。


・コロナ渦で苦しむ子どもたちを助けるため、市民と市役所が一体となって実現した。


・地元の温かみを感じられる機会になることを願っている。



「子ども宅食」ってご存じですか。


一人親家庭などにお弁当を届ける事業です。コロナ禍で、深刻化する家庭の貧困を救うのが狙いで、2021年度は、厚生労働省が補正予算で22億円計上しました。この事業のポイントは国が全額負担してくれることです。市の財政負担が一切ないのです。


この事業を高岡で実施したのは、高岡市で「子ども食堂」を展開している「オタヤ子ども食堂」。子どもたちやその親に集まってもらい、子ども食堂を実施していましたが、コロナ禍のため、開催しにくい状況となりました。そこで、新たに始めたのが「子ども宅食」です。300食以上、配りました。地元のお弁当屋さんからお弁当を仕入れ、夕食時間に合わせて、各家庭に配ります。お弁当業者、そしてお弁当を受け取る家庭。国のお金で、皆さんが喜ぶ仕組みです。


私は高岡市議会の会派「高岡愛」のメンバーと一緒に、「子ども宅食」に同行させていただきました。そのうちの一軒は、アパート暮らしのシングルマザーの家庭です。ブザーを押すと、出てきたのは30代ぐらいの女性です。弁当3個を渡すと、にっこりしていました。この女性、シングルマザーで、2人の子どもを育てています。「宅食は本当にありがたいです。仕事をしながら、お弁当をつくるのが最も大変です」。







▲写真 オタヤ子ども食堂で提供されるお弁当(筆者提供)







▲写真 オタヤ子ども食堂で提供されるお弁当(筆者提供)


「子ども宅食」の対象となっているのは、一人親家庭や就学援助を受けている家庭です。


「子どもの貧困」が問題になっています。7人に1人は貧困と言われています。さらに、コロナ禍です。コロナで学級閉鎖などになると、母親はパートを休まなければなりません。収入減少に直結します。コロナ禍では一層、一人親家庭に大きな影響が出るのです。追い打ちをかけるのは、ウクライナ侵攻に伴う物価高。ガソリンも上がっています。収入減少と生活費アップ。ダブルパンチで、生活は極めて厳しい状況です。


今回の「子ども宅食」は高岡市中心部が中心でしたが、本来は高岡市全域でやるべきだと、私は思います。ただ、それをやるには人手が不足しています。伏木、福岡、中田、戸出、姫野など、いろんな地域で「子ども宅食」をキーワードにネットワークができればいいのに、と構想を練っています。それが暮らしやすい高岡に直結します。


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