いまこそ国連幻想を排そう
Japan In-depth / 2022年4月16日 23時0分
「日本の安全保障は国連に」という趣旨の主張は「国連幻想」「国連神話」「国連信仰」といった言葉で表現される傾向によく帰されてきた。国連の現実を理解しない無知がその根源だとする見方だった。ところが物事はそれほど単純ではないとする指摘もある。杏林大学名誉教授の田久保忠衛氏がかつて以下のように評していた。
「日本の安全は対米同盟よりも国連のような多国間機構に頼るべきだと主張する側も、実際には国連が無力であることをよく知っているのだと思う。最初にまず日米同盟への反対という主張があり、その主張を効果的にするために国連を持ち出すのだ。国連の無力を知りながらも、日米同盟への反対の武器として利用するのだと思う」
素朴にひびく国連礼賛の背後には実はどろどろした政治の思惑や狙いがひそんでいる、というわけだ。いずれにしても、国連はこのように日本の安全保障政策の基本とも複雑にからみあってきた。その政策論議では国連の演じる役割は大きかった。
だが国連自体、発足からすでに70年余り、坂本義和氏が求めたような一国の防衛を丸ごと請け負う常駐警察軍や、その基盤となる集団安全保障は一向に機能していない。目前に展開される無惨な大量殺戮を止めることさえできないのである。
トップ写真)ウクライナブチャの映像が映されている国連安全保障委員会 2022年4月5日 アメリカ・ニューヨーク
出典)Photo by Spencer Platt/Getty Images
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