仏、高級高齢者施設「虐待スキャンダル」
Japan In-depth / 2022年5月10日 18時0分
オルペアを訴えている一人であるイザベル・シュワルツさんは、評判のよい施設だったし、これだけ多くの費用を払っていたのにもかかわらず、母親が小さい部屋で世話もあまりされていなかったとは想像もできなかったと無念さを語った。
レポートではまた、何か事故などがあったときにも保健局に報告されない不透明なシステムについても言及している。この調査では25件の施設が過密状態にあり、2017年から2020年の間に住民に割り当てられるべきだった公的資金が1300万から1800万ユーロは実際には使用されなかったと報告された。
また、2019年から2021年の間のスタッフの離職率は195%で、グループの施設では346%に上昇する。1か月未満の有期契約数は、オルペアの平均は同様の施設より25%高くなっており、職員の流動率も問題視されている。
そして現在
JDDによりおこなわれたインタビューでは、現在、オルペアでは過去の過ちを認め、改善策が練られていることが明言された。健康分野の専門家ではないものの、会計、財務、人間関係、品質の面でのプロセスが非常に厳格な世界、業界から来た経験豊富なマネージャーをCEOに迎え、5月13日から6月11日には、入居者の家族、行政関係者、協会関係者、ジャーナリストおよび老後の問題に関心のあるすべての市民を招き、「オルペア総会」を開催する予定としている。
この公開会議は約50の施設で開催され、誰もが自分たちの運営について意見を出し、質問できる会となっている。この大きな討論会に続いて、年度の初めには、入居者の受け入れを改善するための提案が行われる全国的なイベントを行う予定だそうだ。また、来週の金曜日には、年次決算書も発表され、不当に受け取った公的資金についても説明される予定だ。その上、今後受け取る公的資金は100%職員のために使っていくと約束した。
今回、オルペアのスキャンダルがここまで話題に上ったのは、今まで入居者本人や介護者が内部告発しない限り、施設内で起きていることが表に出ることはなかったことが明らかになったからでもある。誰も見ていないところで何が行われていたかを知ることはとても難しい。そして、フランスでも高齢化が始まっていることも関係している。その結果、高齢者介護施設が多くのフランス人にとって気になる話題になりつつあることも間違いない。
<参考リンク>
▽franceinfo:「調査/オルペアに続き、ブリッジの高齢者施設の経営者が問われている」
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