プーチン演説にサプライズなし
Japan In-depth / 2022年5月11日 23時0分
最後に、今週最も大きなショックを受けたのは慶応大学の中山俊宏教授のご逝去である。日本のアメリカ通の中でも中山さんの視点と感覚は圧倒的に鋭かった。アメリカについて筆者の目が曇ったなと思った時、筆者が最も頼りにしたのは中山教授の論評だった。日本は実に惜しい人を失った。心から、心から、ご冥福をお祈りしたい。
〇アジア
ロックダウンを続ける中国上海市当局が住民を強制的に隔離施設に送っているのは違法だとして、中国の憲法学者が「直ちに中止すべし」と批判する意見書をウェイボ上で公表したという。投稿は即時削除されたが、実に勇気ある知識人を中国はまた一人失ったことになる。こんなことが一体いつまで続くのか。
〇欧州・ロシア
スウェーデンの連立与党・社会民主労働党が同国のNATO加盟申請の是非を近く正式に決めるという。同党が申請に賛成すれば議会で賛成派が多数となる。一方、フィンランドの世論調査ではNATO加盟支持が、以前の20-30%から、ロシアのウクライナ侵攻を経て今は76%に達したという。プーチンの判断ミスは高くついたものだ。
〇中東
米シンクタンクが発表した中東諸国での世論調査で、中東、特にペルシャ湾岸のアラブ諸国で米国の影響力が低下し、逆にロシアが存在感を強めていることが明らかになったそうだ。湾岸アラブ諸国が対イラン抑止で頼りにするのは米国のバイデン政権ではなく、イスラエルになりつつあるのだろうか。隔世の感のある結果である。
〇南北アメリカ
アメリカで武器貸与法が復活したという。ロシアの軍事侵攻が続くウクライナなどに対し軍事物資を迅速に貸与することが可能となるらしいが、こんな法律が再び制定されるとは思わなかった。やはり、今は1930年代の「勢いと偶然と判断ミス」が支配する時代に戻りつつあるのだろう。
〇インド亜大陸
スリランカの首相が辞任した。インフレを巡り数週間抗議デモが続いていたが、デモは暴徒化し、外出禁止令の下で軍に出動を要請する騒ぎが続いていた。同首相は実弟である同国大統領に辞表を提出したというが、こうした事態を中国は如何に見ているのだろうか。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは今週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
トップ写真:5月9日にモスクワで行われた戦勝記念日パレードに出席するプーチン大統領 出典:Photo by Contributor/Getty Images
この記事に関連するニュース
-
【解説】“新型ミサイル”攻撃に使用 プーチン大統領の狙いは…?
日テレNEWS NNN / 2024年11月22日 19時6分
-
米国民がトランプを選んだ以上、貿易相手国は対米依存を脱却するしかない
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月12日 13時20分
-
トランプ氏「ウクライナを見放すのか支援継続か」 次期政権で対立する2グループが浮上
東洋経済オンライン / 2024年11月9日 10時0分
-
アングル:「トランプ外交」再び、戦火の世界が向かうのは混乱か緩和か
ロイター / 2024年11月7日 17時21分
-
領内クルスク奪還へ焦り強めるプーチン大統領 侵攻から3年迎え2024年末に北朝鮮から追加派兵も
東洋経済オンライン / 2024年11月2日 8時0分
ランキング
-
1求人サイトで公募した市長後継候補、原因不明の急病で辞退…あす現市長が記者会見
読売新聞 / 2024年11月26日 16時1分
-
2コロナ新しい変異株「XEC株」はどんなウイルスか 「冬の対策とワクチン接種の是非」を医師が解説
東洋経済オンライン / 2024年11月26日 9時0分
-
3元県議丸山被告に懲役20年求刑=無罪主張、妻殺害事件―長野地裁
時事通信 / 2024年11月26日 19時27分
-
4林官房長官、靖国参拝誤報「極めて遺憾」=共同通信社長が謝罪
時事通信 / 2024年11月26日 20時32分
-
5アマゾン、出品者に値下げ強制か 独禁法違反疑い、公取委立ち入り
共同通信 / 2024年11月26日 12時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください