コロンビアで急進左派大統領が誕生か 中南米左翼化さらに進む可能性
Japan In-depth / 2022年5月17日 23時0分
ペトロ氏を追うグティエレス氏は市場経済を基に雇用創出と経済成長を目指す政策を訴えているが、「基本的にはドゥケ現政権の継承者のイメージが強い」(現地経済アナリスト)とされている。
▲写真 中道右派の前メデジン市長、フェデリコ・グティエレス候補(2019年) 出典:Photo by Gabriel Aponte/Getty Images for Concordia Summit
ぺトロ氏が大統領になれば「従来の市場開放と自由貿易に重点を置いた経済政策が大幅に修正される」(前述のアナリスト)との意見が専ら。コロンビア経済界ではペトロ氏の当選に強い警戒感が広まっていると伝えられる。
■政治暴力発生への懸念も
だが、コロンビアの左派が勢いを増していることは確実。3月に実施された上下両院議会選挙ではペトロ氏率いる急進左派連合が躍進したことがそれを裏付けている。
6月の決選投票に向け、中道や右派勢力がグティエレス氏支持に結集すれば、同氏の逆転勝利の可能性が残されている、との見方もあるが、「ペドロ氏勝利への勢いは止められない」(ボゴタの有力政治アナリスト)との見方が現地メディアの間では有力になりつつある。
コロンビアでは1980年代以降、大統領選で4人の有力候補が暗殺されており、今回の大統領選でも投票日が近付くにつれ、政治暴力が起きることを懸念する声も上がっている。
実際、ペトロ氏に対する暗殺計画情報が盛んに取りざたされている。同氏も、最近のインタビューで「私が暗殺されるリスクは高い」と語っており、自身の警護を一段と強化したとの情報がある。
コロンビアでこれまで左派の政治家が政権の座に就いたことはなく、ペトロ氏が当選すれば初のケースになる。
中南米では昨年7月ペルーでカスティジョ政権、今年1月ホンジュラスでカストロ政権、今年3月にはチリでボリッチ政権がそれぞれ発足したが、いずれも左派政権だ。もしも、コロンビアで“ペトロ大統領”が登場するなら、中南米の左翼化の潮流が一段と強まることになるだろう。
(了)
トップ写真:大統領選でリードするグスタボ・ペトロ候補(2022年5月11日 コロンビア・フサガスガ) 出典:Photo by Guillermo Legaria/Getty Images
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