中国でウェブ上に「内戦勃発」報道
Japan In-depth / 2022年5月20日 11時11分
澁谷司(アジア太平洋交流学会会長)
【まとめ】
・「習氏が半ば退位、李首相が代行」の仮説通りなら、「習派」と「反習派」で多少の軍事衝突はあるかもしれないが、今秋、政権移譲へ。
・「仮説」通りに事が運ばなければ、内戦が勃発する前兆か。中国が分裂の危機に陥る可能性も。
・「習派」巻き返しなら習氏3期目へ。その場合「国進民退」「第2文革」「戦狼外交」で中国経済は破綻へ。「易姓革命」も。
以前、本サイトで次のような事柄を紹介した。
「習近平主席がすでに半ば退位し、李克強首相が代行しているという。江沢民が軍を動かし、胡錦濤・曾慶紅が党を動かし、王岐山・王滬寧の2人がそれを実行に移した。だが、共産党は、習主席を否定しない、責任を追及しない、時期が来たら引退すると約束した。また、李首相に譲位した事を第20回大会で公表するという」。
これを「仮説」とする。もし事実だとすれば、以下の事象が傍証となるかもしれない。5月以降、直近の出来事を時系列的に並べてみよう。
第1に、5月初旬、38軍2個機動師団が上京し、27軍9師団が上海に進入し、5月4日、習近平主席は政治局常務委員拡大会議で条件付きながら、退位に同意した(a)という。
第2に、同月7日夜、浙江省舟山市で夜空が赤く染まっている(b)。ただ、異常気象等で夜空が赤くなることも考えられよう。
第3に、翌8日午後1時過ぎ、浙江省杭州市で原因不明の大きな音が2回続けて鳴り響いた(c)という。なお、同市では、今年3月にも同様な大音響に包まれている。
第4に、既報のように、5月10日朝、北京市大興区楡垡橋で戦車が走っている(d)。さすがに、北京市民もこれには驚いたに違いない。
第5に、翌11日夜、福建省福州市でも夜空が真っ赤に染まった(e)。確かに、夜、漁船が沖に出て一斉に赤色灯をつければ、かかる状況となるかもしれない。だが、福州市ではこれが初めてではないそうだ。
このように、“習近平主席が半ば退位”したという「仮説」後、“きな臭い”状況が続いている。更に、場所も、習主席の地盤と見られる浙江省と福建省で起きている点が注目されよう。実権を掌握した「反習近平派」に対する「習近平派」の抵抗と考えられないだろうか。
さて、ざっと今後のシナリオを描いてみたい。
〔ケース1〕
「仮説」通り、「反習派」が完全に(軍権を含む)実権を掌握し、静かに物事が運ばれる。その際、「習派」と「反習派」との間で、多少の軍事衝突はあるかもしれない。だが、規定の如く、今秋の第20回党大会で、習近平主席が退位し、李克強首相が総書記(共産党トップ)に就任するという政権移譲が行われる。
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