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韓米首脳会談で韓米同盟が正常軌道に

Japan In-depth / 2022年5月25日 23時0分

2018年の米朝シンガポール首脳会談以降、文在寅前韓国大統領とトランプ前米大統領は共に「金正恩国務委員長の非核化の意思を確認した」と主張し、それまで数十年続いてきた韓米連合安全保障体制を崩壊させた。



写真)北朝鮮の金正恩委員長とドナルド・トランプ前米国大統領、韓国の文在寅前大統領(2019年6月30日)


出典)Photo by Handout/Dong-A Ilbo via Getty Images


その間に北朝鮮は核開発とミサイル開発をさらに高度化した。そればかりか金正恩はシンガポール会談直前に宣言した「核実験とICBM(大陸間弾道ミサイル)発射の中断」を意味するいわゆる「モラトリアム」も正式に破棄した。そしてICBMやSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)はもちろん、韓国を射程圏内に収める戦術核ミサイルによる挑発を露骨に進め、いま7回目の核実験も準備中だ。


こうした中で今回の首脳会談では、米韓の軍事協力も正常軌道に戻された。尹錫悦大統領とバイデン大統領は、北朝鮮の核・ミサイル攻撃に備える韓米連合訓練の拡大や米軍の戦略資産展開などでも合意した。


共同声明で両首脳は「北朝鮮の深化する脅威を考慮し、連合演習・訓練の範囲と規模を拡大する」との考えを表明した。シンガポール米朝首脳会談以来、事実上中断していた連合訓練を正常に戻すということだ。


両首脳は、金正恩が先月25日の軍事パレード演説で「わが国の核は戦争防止という一つの使命にのみ束縛されない」として「先制核攻撃」をちらつかせたことに対して「核には核で対応する」との考えも示した。北朝鮮による挑発など有事に米国が韓国に提供する戦力を「核、在来式兵器、ミサイル防衛能力」と明確にしたのだ。韓米の共同声明で拡張抑止の手段として「核」という言葉が明記されるのは今回が初めてだ。拡張抑止とは同盟国が核攻撃などの脅威に直面した際、核兵器を搭載した爆撃機、原子力空母、原子力潜水艦などを使って同盟国を支援するという概念だ。


それに伴って文在寅政権発足後の2018年から中断していた「拡張抑止戦略協議体(EDSCG)」の再開にも合意しそれを具体化した。


 対北朝鮮政策の正常化について朝鮮日報は「韓国と米国の前政権はテレビ用の「サプライズショー」で北朝鮮の核問題を解決するという幻想で国民をだましたが、この二つの政権はどちらもすでに交代し、今回ついに金正恩政権に対する常識的な対応が再開された。北朝鮮の核問題という目の前の現実をありのままに受け入れるのに4年もかかったのだ」と報道した。


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