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RE100化でデベロッパーも発電する時代へ

Japan In-depth / 2022年5月29日 23時0分

私たちの想像以上に企業のRE100への取り組みは加速している。その背景に、昨今の化石燃料の価格高騰があることは間違いない。ロシアによるウクライナ侵攻がそれに拍車をかけている。





一方、日本の電源構成のほとんどは化石燃料による火力発電が占めている。このままいくと電気代はますます高くなり、私たち一般家庭のみならず、需要家全体のエネルギーコストは重くなる一方だ。そのリスクをヘッジするために企業は再生可能エネルギー導入を加速させねばならない。





また、ESG投資の広がりが企業のRE100への取り組みを後押ししている側面もある。取り組みに消極的な企業には投資が集まらないだけでなく、市場から退場を迫られるリスクすらあるのだ。





こうした中、企業のRE100への取り組みが加速してきた。





■ 水素を活用した工場のRE100化





2022年4月、パナソニックは、純水素型燃料電池と太陽電池を組み合わせた自家発電により、事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーでまかなうRE100ソリューション実証施設「H2 KIBOU FIELD」を稼働した。世界で初めて本格的に水素を活用した工場のRE100化となる。





滋賀県草津拠点に純水素型燃料電池(500 kW)と太陽電池(約570 kW)を組み合わせた自家発電設備と、余剰電力を蓄えるリチウムイオン蓄電池(約1.1 MWh)を備えた大規模な実証施設を作った。





発電した電力で草津拠点内にある燃料電池工場の製造部門の全使用電力をまかなうとともに、3つの電池の連携による最適な電力需給の運用が出来るように技術開発を行い、検証していくという。





太陽光発電は広大な設置面積が必要だという課題を解決する取り組みだ。工場の屋上などに設置した自家発電設備で事業活動に必要な電力を供給することが可能になる。パナソニックでは、こうした自家発電により事業活動に必要な再エネ電力を賄う「RE100ソリューション」の事業化を目指すとしている。









▲写真 H2 KIBOU FIELD 空撮写真(2022年4月撮影) 出典:パナソニック





一方、オフィスビルに入居している多くのテナント企業もRE100を目指している。しかし、それらの企業が自分たちで出来ることは限られている。電気の供給元はビルのオーナーに委ねられているからだ。





それらの企業はRE100を達成するために、ビルのオーナー、すなわちデベロッパーから100%再生可能エネルギーの電気供給を要望するだろう。つまり、デベロッパーとしてはそうした環境を整えない限り、将来的に優良なテナントが確保できないことになってしまう。





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