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お役所言葉「検討します」を追放 「高岡発ニッポン再興」その10

Japan In-depth / 2022年5月31日 11時0分

お役所言葉「検討します」を追放 「高岡発ニッポン再興」その10


出町譲(高岡市議会議員・作家)





【まとめ】


・お役所言葉「検討する」が多用されている答弁書を読んでいて、出雲市長だった岩國哲人氏を思い出した。


・岩國氏は「検討する」を禁止、その場で「できる」「できない」と回答するよう指示。3つの回答期限も設けた。


・「行政は最大のサービス産業」としてスピード感覚と多くの改革を導入し、出雲市役所を変えた。


 


議員にとって極めて重要な仕事は、年に4回開かれる定例会での質問です。私は、去年12月定例会でカラス対策、3月定例会で空き校舎問題と財政健全化について質問しました。


今は、毎日市民の方々のお話を聞きながら、6月定例会に向けて準備をしています。新たなテーマを聞くのか。それとも、これまで質問したことを別の角度から聞くのか。思案中ですが、12月定例会、3月定例会の答弁書を改めて読んでいると、「検討する」という言葉が多くありますね。これは典型的なお役所言葉です。








写真)筆者。筆者提供。


 それを読みながら思い出すのは、30年前に親しくさせていただいた当時の出雲市長、岩國哲人さんのことです。私は時事通信の記者として頻繁にお会いし、長男、哲太郎が誕生した際、岩國さんから「哲」という字をお借りしました。


岩國さんは、ニューヨークのメリルリンチに勤めていましたが、急きょ退社し、出雲市長に出馬しました。市長在任中、「行政は最大のサービス産業」と銘打って、土日の行政サービスや総合福祉カードの導入などを打ち出しました。


さらに、当時からゴミ問題に熱心に取り組み、ゴミ課を創設。出雲市商工会議所と協力し、過剰包装自粛のステッカーをつくりました。協力店はそのステッカーを貼るのです。









写真)衆院議員として国会で質問に立つ岩國哲人氏(2005年3月2日)


出典)民主党ホームページ


岩國さんは、地域の集会などに顔を出し、ステッカーを貼っている店で買い物するように、呼びかけました。


今思えば、過激だともいえるのですが、分かりやすい言葉で、具体策を打ち出す姿勢は、出雲市内だけでなく、全国で幅広く共感されました。出雲発の全国ニュースが頻繁に飛び出し、通信社の記者にとっては、岩國さんは大事なニュースソースでした。その結果、出雲市は、岩國さん就任後わずか2年で、トヨタ自動車やソニーと並んで、日本で最も優れた“企業”として表彰されました。JMA(日本能率協会)マーケティング最優秀賞を受賞したのです。


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