中国河北省女性暴行事件の裏
Japan In-depth / 2022年6月15日 23時0分
澁谷司(アジア太平洋交流学会会長)
【まとめ】
・6月10日中国河北省唐山市にて、女性が男性からのセクハラに抵抗すると男らは女性とその友人に対して暴行し重傷を負わせた。
・容疑者9人は逮捕されたが、この女性暴行事件は、唐山市ではなく廊坊市公安が捜査して処理することが河北省公安当局によって通告された。
・公安当局は唐山市警察が地元の闇勢力の後ろ盾を担っていると考えており、公正性を保つため別の市の管轄が担当することになったのだろう。
現在、中国では、河北省唐山市で起きた女性暴行事件が話題となっている。ここでは、事件の概要と同市の“闇”について述べよう。
事件は、今年6月10日未明、唐山市の串焼き店で発生(a)した。
酔った男が店内で食事をしていた女性に声をかけ、背後から背中を触ったのが事件の発端とみられる。女性が拒否して抵抗すると、男は数人を率いて女性とその友人に暴行を加えた上、被害者を店の外に引きずり出して暴行を続けた。
その結果、女性2人が重傷で入院し、他の2人が軽傷を負っている。
同日、女性2人が激しく殴打される監視カメラ映像が、インターネットにアップロードされた。その映像が広く出回り、ネットユーザーの怒りを買った。そして、同事件が微博のトップになっている。
翌11日、唐山市公安局は事件に関わった9人全員を逮捕したと伝えた。また、負傷した女性の病状は安定しており、命に別状はないと発表している。
ネットユーザーから反発の声が上がる中、複数の官製メディア『人民日報』、『中国女性報』、『法制日報』、『環球時報』等が徹底した捜査と厳罰を求める記事を出した。
『人民日報』の微博(中国版ツイッター)は、唐山市で起きた女性が集団で暴行を受けた事件は衝撃的で、法だけでなく、社会秩序や国民の安心感に対する挑戦(b)だと指摘した。
被害者は今も病院で治療を受けているが、おそらく、そのベッドの上で“正義”を求めている(a)のではないだろうか。
今回、公衆の面前で見知らぬ男性からセクハラを受け、その後、引きずられて殴られた。この事から、女性はどのように自分を守るべきか、ネットユーザーの間で議論になっている。
ある人は、「彼女らは『落ち度のない完璧な被害者』の“条件”をすべて満たしていた」と指摘する。はだけた服を着ていた訳でもなく、人里離れた場所でもない。また、一人旅でもなく、娯楽施設にいた訳でもない。活気あるレストランで、姉妹と食事をしながらおしゃべりしていただけである。彼女らは、弱さや恐れを見せず、助け合い、抵抗する、という被害者のもう一つの“条件”まで満たしている。
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