香港つぶれた後、出現するか第二の金融都市
Japan In-depth / 2022年6月20日 19時0分
また国際ジャーナリスト団体の「国境なき記者団」は、民主派メディアが次々と運営停止にされたため世界180ヵ国の報道自由度ランキングで香港は2002年の18位、2021年の80位から、さらに順位を下げ、2022年は148位に落ち込んだ。
一方、裕福な知識層は、香港に見切りをつけ、イギリスやカナダ、オーストラリアなどに移住する人が増えてきたという。また香港は、自由な金融都市の地位を失いつつあり、変わってシンガポールなどが脚光を浴びてきた。李氏は「国家の安全と主権を脅かし、香港を利用して中国本土に浸透、破壊する活動」を“譲れない一線”と明言している。今後も厳しい取り締まりで対応することは確実なので自由都市・香港の復活は当分あり得まい。その間にアジアの金融都市として成長・発展してきた香港に代わり、どこがアジアの代表的金融都市として登場してくるのか、大きな注目点になっている。
国際金融センターを比較するランキング「グローバル金融センター指数(Global Financial Centers Index、GFCI)」の2022年3月版によると、1位はニューヨーク、2位はロンドン、3位が香港だ。それ以降は、上海、ロサンゼルス、シンガポール、サンフランシスコ、北京、東京、深圳と続く。しかしながら、グローバルな金融機関では香港からシンガポールに役職員を異動させる動きが活発となっている。一時的なものも含まれるが、今年の4月にフランスの銀行ソシエテ・ジェネラルやアメリカの金融機関のシティーグループ、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカが一部の部門を香港からシンガポールに異動させた。
中国はせっかく育ってきた香港という“金の卵”を自らつぶしてしまったといえそうだ。その代償は決して小さくはないだろう。
トップ写真)ほとんどが親中派の選挙委員会のメンバ‐に挨拶する李家超(ジョン・リー)氏(2022年5月8日)
出典)Photo by Anthony Kwan/Getty Images
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