習主席による「反習派」への巻き返しか
Japan In-depth / 2022年6月28日 11時0分
実は、この論考が、突然、削除された(c)のである。
以前、本サイトで『中国規律検査監察ジャーナル』に掲載された「『洗練された利己主義』を捨てよ」(d)という一文を紹介したことがある。
文章には、秦王朝の李斯宰相と唐王朝の李林甫宰相が“反面教師”として登場し、「洗練された利己主義」を痛烈に批判した。これは、李首相を暗に非難している。ところが、この記事がまもなく削除された。
このケースでは、「習派」が「反習派」の李首相を揶揄したが、それを「反習派」が文章を削除したのだろう。今度の場合、逆バージョンで、「反習派」による習主席批判の論考が「習派」によって削除されたと思われる。
さて、6月24日、習主席の側近だった王小洪が、噂通り、順当に公安部長(警察庁長官に相当)に就任(e)した。これは、習主席にとって心強いだろう。ただ、軍の動静については不明である。
一方、政治的スターだった「共青団」出身の陸昊・自然資源部長が、国土資源部党組織書記を解任され、事実上、行政権限のない国務院発展研究センター党組織書記に左遷(f)されている。陸昊は北京大学卒のエリートで、李首相の「弟分」だという。2003年初め、陸昊は35歳で北京市副市長に昇進している。
14年以上大臣レベルにあった55歳の陸昊は、今秋の第20回党大会後に政治局入りするのではないかと予想されていた。
「習派」の王小洪の昇進と「反習派」の陸昊の左遷に関しては、まったくの偶然で、「習派」と「反習派」の死闘とは無関係かもしれない。ただし、時期が時期だけに、やはり人事と党内闘争に関して憶測を呼びそうだ。
(注)
(a)『万維読報』万维读报2022-06-23
「自分の味方にメスを入れても、習主席は死闘に臨むのか」
(https://video.creaders.net/2022/06/24/2497480.html)。
(b)『rfi』
「李克強の勝利か 新華社通信は今日の論評で最新のシグナルを発する」
(2022年6月21日付)
(https://news.creaders.net/china/2022/06/21/2496701.html)。
『静観黙察』(『半月談』)
「安定した経済の土台はまだしっかりしていないので、包括的な政策を最後までやり抜かなければならない」(2022年6年22日付)
(https://www.meijiazsgc.com/yuanlaisini/71281.html)。
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