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“NTT”は「転職なき移住」の号砲 「高岡発ニッポン再興」その12

Japan In-depth / 2022年6月29日 19時0分

 ワーケーションというのは、余暇と仕事を組み合わせたものです。ワーケーション誘致のため、企業や島根大学と共同の事業体を立ち上げています。ワーケーションをきっかけに、移住や定住につなげる方針です。また、仕事の合間にヨガ体験などができる宿泊プランなどもあります。一方、同じ島根県の出雲市では、サテライト交付金をつかって、空き校舎を整備しました。4分の3、国が出してくれます。NTT報道以前にもかかわらず、松江市も、出雲市も人口を少しでも増やそうと意欲満々でした。


これは歴史的な大きな動きになるような気がします。振り返れば、日本は1871年に廃藩置県を断行し、中央集権国家に舵を切りました。それ以来、150年間、都道府県が国にぶら下がる形で、多くの人や企業が東京に吸い寄せられました。東京に行かなければ仕事がないというのが多くの人の考えだったのです。


私自身も、そんな思いで、高校卒業後、上京。東京の大学を出て、東京本社の企業に就職しました。しかし、今後は東京本社の企業にいながら、高岡で生活できるのです。東京一極集中が揺らいでいく可能性があるのです。


高岡市も、こうした大きなトレンドに乗り遅れてはいけません。しかし、残念なことに、今のところ、市独自の動きはあまりありません。国の移住支援金などに頼るばかりです。国の移住支援金は破格です。単身なら60万円、2人以上なら100万円。さらに今年4月からは18歳未満の家族一人いれば、30万円加算される制度を打ち出しています。私は、高岡市、独自政策を打ち出すべきだと思います。


前述した出雲市が空き校舎整備に使ったテレワーク交付金にしても高岡市は申請する様子はありません。国が4分の3も出してくれるおいしい交付金なのに、動かないのは極めて残念です。


私は、地方が生き残りをかけて競争時代に突入したと思います。高岡再興のためには、大きな時代の流れをつかむ必要があるのです。


トップ写真:カリフォルニア州パロアルトのシリコンバレーのコーヒーショップ内でテレワークをする男性(2017年9月20日)


出典)Photo by Smith Collection/Gado/Getty Images


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