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日本のものづくり最大の危機①

Japan In-depth / 2022年7月1日 18時0分

本来解決しなければならない問題に向き合うことなく対策を講じてきた結果もたらされるのは、史上最悪の大不況と、倒産・廃業・失業者の爆発的増加である。失業者は265万人、隠れ失業者は517万人に達し、失業者増加に伴う自殺者は最悪の場合、年間4万人に達し収束に2年を要する。年間自殺者数が2019年度の水準に戻るまで19年~27年かかり、その間に増加した自殺者数は累計14万~27万人になるという試算もある※。失業率の1%の増加に伴い自殺者は2400人増えると言われる。しかも日本の自殺者数の統計は実態を表していないとWHOから幾度も勧告を受けているものだ。


■筆者が経験した日本のものづくりの危機


陸上自衛隊には野外で治療を行うために必要な無影照明を装備していない。以前は4灯式の野外無影照明を装備していたが、製造メーカーが倒産してしまった。当時、現役自衛官であった筆者は野外で応急治療を提供するための無影灯が無いことに危機を覚え、2002年より研究を始め、自衛隊での技術上の表彰を受けた。発想を実現できるだけの照明技術が進歩し、図のように令和元年度補正ものづくり補助金事業として採択され写真のように製品として完成させた。



写真)無影灯


提供)筆者


1000万円の事業経費に対し、650万円の補助金交付が決定し、メインバンクとしていたS信用金庫から融資を受ける予定であった。しかし、事業終了に伴う工場への支払い期限当日に、予告なくS信用金庫は融資額を補助金交付額650万に減額したため、当日のうちに筆者は400万円を用意しなければならなくなった。S信用金庫の支店長からは「国から交付され回収が確実な650万円しか融資できない、残りは親から借りてこい」と対面で怒鳴りつけられた。筆者が経営する会社の財源は講習会による教育業である。長引く緊急事態宣言により収益ゼロが続き資金は底をついていた。飲食業と違い教育業には何の補償もない。コロナ禍という非常時でも支払い期日の延期は認められず、期日にまでに全額支払えなければ、ものづくり補助金の交付がされなくなるおそれが生じた。ものづくり補助金事務局の計らいにより、支払い期日にはS信用金庫から融資を受けられる650万を支払い、残額は後日支払う「分割払い」により補助金が交付されるようになった。しかし、期日までに支払うことができた650万円の3分の2に相当する420万円にまで補助金交付額が減額されてしまった。さらに、S信用金庫は利息分を差し引いての融資をしたため、650万円の融資額はさらに減額されてしまい、筆者は当日、売却できるものは全て売り払い、現金をつくることになった。筆者は予定通り融資を受けられていれば負担することのなかった200万円以上を、収益がほぼ皆無の状態で用意する必要に迫られた。当初の自己負担額425万円に期限当日に増えた200万円が加わり650万円となったが、これは翌月末に工場に支払う必要があるもので余裕が無い。一方で、銀行からの融資への支払いは余裕があるものだ。この危機による影響から1年が経とうとする今もなお脱することはできず、開発は完了したものの量産の目処はたっていない。さらに最近になり、S信用金庫は融資申込書の改ざんまで行っていたことが判明した。融資額が650万円と決定したのは6月16日となっていると言うのだ。6月30日にものづくり補助金事務局と電話で口論になっており証人が幾人もいるにも関わらず、今年の5月に日付の改ざんを行ったのだ。


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