丸川珠代氏の結婚式で見た安倍さんの気遣い 「高岡発ニッポン再興」番外編②
Japan In-depth / 2022年7月13日 11時0分
出町譲(高岡市議会議員・作家)
【まとめ】
・丸川珠代氏の結婚式で、安倍さんは前総理とは思えない、腰の低い人、気遣いの人との印象を得た。
・「政治生命が絶たれた」と言われて5年、子どもにも名刺を渡すどぶ板選挙を経て、安倍さんは総理に復帰した。
・安倍さんの胆力、突き進む力には脱帽。政治家には決断と、その結果を引き受ける「覚悟」が必要。
私は安倍晋三さんとは、1度だけじっくり話す機会がありました。前回お伝えした、元テレビ朝日アナウンサーで参議院議員の丸川珠代さんが2008年6月に結婚式を開いた時です。
丸川さんと言えば、安倍さんが一本釣りしたため、「安倍チルドレン」として知られていました。しかし、テレビ朝日では、冷ややかに見る人が多くいました。テレビ報道の世界から自民党の参院選に出馬するのは、いかがなものかという批判です。このため、結婚式に出席するテレビ朝日関係者は少なかったのです。
ただ、私は、丸川さんとは盟友でした。テレビ朝日経済部で一緒に仕事をし、取材現場に連れて行っただけでなく、時には、官僚や財界人らとも懇談し、日本の未来について語り合いました。アメリカの投資ファンドの創設者などにも引き合わせたりもしました。丸川さんも向学心があり、独自ルートでさまざまな人と出会っていました。そんな中の一人が、安倍晋三さんだったのです。それが参院選出馬につながったのです。
写真)参院選に立候補した丸川珠代氏の応援にかけつけた安倍首相(2007年7月12日 東京)
出典)Photo by Koichi Kamoshida/Getty Images
安倍さんは2008年6月の結婚式では、そんな丸川さんのことを配慮してなのでしょうか。わざわざ我々のテーブルまで足を運ばれました。前総理とは思えない、腰の低い人だなという印象が強く残りました。気遣いの人でした。
安倍さんは丸川さんの結婚について、自分の娘のことのように喜んでいました。そして、自らの体調が良くなっていることなど、最近の日常生活についてもお話されていました。たわいもない話ですが、9か月前の辞任会見とはまったく違って明るい表情でした。
後で知ったのですが、安倍さんはまた退陣後、全生庵で月に1度、座禅を組んでいたのです。安倍さん自身「住職の平井正修さんのお話を伺っていると、なんとなく気持ちが落ち着いてくる」と話しています。平井住職は高岡に縁の深い人です。全生庵は、高岡の国泰寺派の末寺なのです。高岡に頻繁に来る平井さんによれば、退陣した直後は覇気がなかったが、徐々に回復したそうです。当時メディアでは、安倍さんの回復の一因は、座禅だと伝えられました。
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