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バイデン大統領、支持率過去最低の30%に

Japan In-depth / 2022年7月14日 23時0分

▲写真 サンタバーバラ郡にあるトムズガスアンドマーケットの独立したサービスステーションのガス価格(2022.6.12) 出典:Photo by George Rose/Getty Images


バイデン大統領はガソリン価格高騰の理由をほぼ全面的にウクライナ戦争のせいだとする。インフレ全般については大企業の役割以外に主因はコロナウイルスだと主張する。だが石油業界などはバイデン政権が地球温暖化防止や環境保護の名目の下にアメリカ国内での石油生産を極端に制限し、カナダからの石油ラインも禁止したことをガソリン高騰の主因として指摘する。


インフレについてはバイデン政権の「大きな政府」策による1兆9千億ドルの景気刺激や1兆7千億ドルの気候変動策・医療保険拡大という巨大な政府支出が経済を過熱させたという分析が多い。


だがバイデン大統領がマクロ経済や財政の基本に踏み込んでインフレを論じることはない。このへんでどうしてもバイデン氏自身の統治や実務の能力という深刻な課題が浮かびあがる。


インフレでは同大統領は衝撃的な発言をした。6月16日、ホワイトハウスでAP通信記者のインタビューに応じた際の反応だった。AP記者はインフレ率の異様な上昇とガソリン価格の急騰を提起して大統領の見解を問うた。大統領は答えた。


「(アメリカのインフレ率が高いことが)もし私の失策の結果ならば、なぜ全世界の他の主要工業国のインフレ率はみなアメリカより高いのか。自分の胸に聞いたらどうか」


バイデン大統領は主要先進諸国の間でもアメリカのインフレ率が突出して高いことも知らなかったようなのだ。


バイデン氏のこの特殊状況については同じ民主党のオバマ政権の高官だったデービッド・アクセルロッド氏が「バイデン氏自身が政権を統率していないために混乱が続くのだ」と、絶望にも近い考察を述べていた。


こうした流れのなかで7月中旬に入り、バイデン陣営にとってはさらに衝撃的な世論調査結果が公表された。全米世論調査機関の「シビクス」社によると、最新のバイデン大統領に対する支持率は30%という最低水準を記録した。これに対して不支持率は57%だったという。


これまでバイデン大統領への支持率は一連の世論調査では昨年は50%台から60%台を上下していたが、今年に入って40%を切るようになった。ただし30%という数字はこれまでの全米世論調査では初めてだという。


一方、ニューヨーク・タイムズとシエナ大学合同の世論調査でもバイデン大統領への支持率は33%という低水準だった。同じ調査での2024年の大統領選にバイデン氏の再出馬を望むかという質問に対しては「ノー」という答えが全体の64%にも達したことが注目された。バイデン氏再出馬を支持する意見は全体の24%だったという。


このようにバイデン大統領は本来の支持勢力の民主党層の間でも人気を失ってきたわけである。


トップ写真:バイデン大統領が大統領執務室でメキシコのオブラドール大統領と会談(2022.7.12) 出典:Photo by Chris Kelponis-Pool/Getty Images


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