久しぶりの訪米で驚いたこと
Japan In-depth / 2022年7月20日 11時0分
もう一つ興味深かったことは、民主党リベラル系だった社会学の専門家が保守系のシンクタンクに移籍するという話が大きく報じられていた。その人物によれば、民主党は「今やヒスパニック票だけでなく、大卒白人票も失いつつある。人々の生活水準ではなく、(人種、ジェンダー等)文化問題ばかりに注目しているからだ」と手厳しい。
バイデン不人気といえば、外交面で気になったのは同大統領サウジ訪問の評判の悪さだ。ワシントンに長く住む旧知の中東専門家によれば、このサウジ訪問の裏で最も巧妙に立ち回っているのがイスラエルとアラブ首長国連邦だという。なるほど、イスラエルも湾岸諸国も、「米国は当てにならない」ということなのだろうか。
〇アジア
米トランプ前政権の国防長官が率いる米シンクタンク訪問団が台湾入りし、19日に蔡英文総統と会談すると報じられた。元職とはいえ米国防長官が訪台する意味は小さくなく、中国側の反発は必至だろう。一方、日本では安倍元首相弔問のため訪日した台湾副総統を「ご指摘の人物」と呼んだそうだ。この差は一体何故なのか。
〇欧州・ロシア
ウクライナ大統領が同国保安局(SBU)長官と検事総長を解任したという。ロシア軍に制圧された地域でSBUと検察職員らがロシアに協力するなど、国家反逆行為があったからだというが、なるほど、これまでの「ウクライナ賛美」報道は嘘だったのか。ウクライナ人が全て英雄とは限らないようだ。この種のニュースは今後も続くだろう。
〇中東
バイデン大統領イスラエル訪問中に、I2U2(インド、イスラエル、UAE、USA)四カ国首脳テレビ会談が行われた。インドは中東でも重要なパートナーになりつつある。イスラエルの技術、UAEの資金とインドの製造能力の「結合」がどこまで進むのか、行方が気になるところだ。
〇南北アメリカ
今のワシントンでマスクをしているのはレストラン・店舗の従業員と旅行者の一部ぐらいだと思うが、一方、マスク着用を要求する本屋もあるのでマスクは手放せない。米国内の感染者は再び増加傾向にあり、今回食事する予定だった友人が二人PCR検査で陽性になり、急遽テレビ会議に変更した、という笑えない話もある。コロナはまだまだ続きそうだ。
〇インド亜大陸
インドの中東での重要性を再認識したが、それ以外は特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは今週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
トップ写真:中東訪問を終え、記者団の質問に答えるバイデン大統領(2022年7月16日 米・ホワイトハウス) 出典:Photo by Tasos Katopodis/Getty Images
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