フランス、猛暑の次は嵐
Japan In-depth / 2022年7月22日 18時0分
Ulala(著述家)
「フランスUlalaの視点」
【まとめ】
・フランスを含むヨーロッパ各地ではアフリカ北部から北上した熱波の影響を受け連日記録を更新するほどの猛暑が続いている。
・フランスでは猛暑注意の暑さレベルになった場合、健康被害を避けるために市役所が警戒態勢を取ることが決められており、各地でいろいろな対策が実施されている。
・猛暑によって山火事も発生している。
・熱波のピークは過ぎたが、今後は激しい嵐の可能性もあり、自然からの脅威にさらされる夏はまだまだ続きそうだ。
フランスを含むヨーロッパ各地では、連日猛暑が続いている。最高気温が40度を超える地域も多くみられ、観測史上最高気温の報告が相次いだ。そんな中、大規模な森林火災も各地で広がり、バカンス客や住民たちは避難を強いられてもいる。ヨーロッパを襲ったこの猛暑は、アフリカ北部から熱波が北上したことが直接の原因である。フランスでは、2003年と2019年にも多くの死者を出した猛暑を経験しているが、どの年もフランス中がほぼ均等に暑さが広がっていたのに対し、今回は、例年に比べて気温が高い日が長く続き、40度近い高温になる地域が局部的で、南西部から北東部に移動したのが特徴だ。
現在はようやく猛烈な勢いの暑さは去ったものの、WMO(世界気象機関)および、Météo-Franceによれば、来週半ばまで熱波の影響は続く見通しだ。
写真)40℃を表示している農家の温度計(フランス、2022年6月19日)
出典)Photo by James D. Morgan/Getty Images
◯各地で記録を更新した猛暑
アフリカからの熱波によって、フランス各地で最高気温の記録を更新した。
フランス西部、ブルターニュ半島西端に位置する港湾都市ブレストでは39.3°C(これまでの最高記録2003年8月35.1°C)、フランス西部のブルターニュにあるサンブリューは39.5°C(2003年8月38.1°C)、フランスの西部、ロワール川河畔に位置する都市ナントで42°C(1949年7月40.3°C)、またフランス南西部のヌーヴェルアキテーヌ地方のランド県にあるコミューンビスカロッスでは42.6°C(2022年6月41.7°C)を記録した。
◯フランスにおける猛暑に対する様々な対策
フランスでは、2003年8月の猛暑で通常の死亡率と比較して15000人多く亡くなったという経験から、4段階ある暑さのレベルのうちレベル3の 猛暑注意 (オレンジ)が出た場合は、健康被害を避けるために市役所が警戒態勢を取ることが決められており、各地でいろいろな対策が実施された。
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