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草むしりと地域再生「高岡発ニッポン再興」その18

Japan In-depth / 2022年7月27日 15時8分

草むしりと地域再生「高岡発ニッポン再興」その18




出町譲(高岡市議会議員・作家)





【まとめ】





・少子高齢化にともない、高岡市でも次々に小学校が廃校へ。廃墟ばかりのまちになるのか、利活用で新しい市に生まれ変わるのか。





・企業経営者が、ラジオ体操をやった後、草むしりを始めようと呼びかけた。多くの人が呼応し、雑草をたい肥にするアイデアも。





・住民主導で、次々に連鎖反応的に、アイデアが出てきて行動に移そうとする。これこそ、理想とする地域再生。





 





少子高齢化にともなって、毎年、全国で450ほど廃校となっています。高岡でも今年4月に旧平米小学校が空き校舎となりました。地元の方々からは、空き校舎、跡地に関して、さまざまな声が寄せられています。「防犯上不安だ」「学校の敷地内に違法駐車が目立つ」「ゴミが散乱している」などです。確かにグランドにはもう雑草が生え、プールからはカエルの鳴き声が聞こえます。





空き校舎の問題は、旧平米小学校だけではありません。2年後には、横田、川原、東五位、千鳥が丘、4年後には定塚、5年後には西部中学校、6年後には伏木、古府、太田の各小学校が空きます。廃墟ばかりのまちになるのか。それとも、利活用で、新しい高岡に生まれ変わるのか。今後高岡市「100年の計」にかかわる重要な問題です。









▲写真 校庭に雑草がはえている旧平米小学校(2022年7月):筆者提供





そこで、6月定例会でも、3月に引き続き、突っ込んで質問させていただきました。





しかし、答弁には落胆しました。教育長は、空き校舎問題の検討を終える時期については「いつまでに協議を終えるのか、現時点では言えない」。さらに、空き校舎の基本方針、グランドデザインを策定することに関しても、それぞれの校区によって事情が違うと、消極的でした。また、地元の住民への開放も考えていないとしています。





庁内でプロジェクトチームが立ち上がったりした形跡はありません。また、地元住民に活用法を聞くヒアリングも正式には行われていません。





行政だけに頼っていては何も進まない。地元ではそんな危機感が高まっています。そこで動き出した人がいます。地元に住む山崎勝久さんです。企業経営者なのですが、地域づくりに熱心です。





山崎さんはこの夏休みから、グランドでラジオ体操をやった後、草むしりを始めようと呼びかけたのです。それに多くの人が呼応しました。小学校低学年の子どもから、80代の高齢の方まで、30人ぐらい草むしりに汗をかいています。





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