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脱炭素で権威失墜 先進国の落日

Japan In-depth / 2022年7月28日 23時0分

対ロシア経済制裁への参加国が先進国に限定される一方で、BRICSなどの新興国をはじめ途上国は先進国にお構いなく独自の行動をするようになった。





ロシアの原油輸出は、割引価格で提供され、中国、インドをはじめ、ブラジル、エジプトなどに振り向けられている。サウジアラビアとUAEもロシアから購入し、代わりに自国の石油を輸出することで、ロシア産の石油の産地ロンダリングをしている。





世界的なエネルギー価格の上昇と相まってロシアの石油収入は伸びた。これに支えられてルーブルは高値で安定している。





インドの輸入量は日量100万バレルに近づいている。中国はドイツを抜いてロシア産原油の単独最大輸入国になった。ブラジルはロシアの石油と肥料の輸出に大きく依存している。肥料製造にはエネルギーを大量に使用するため、ロシアのようなエネルギー大国は肥料大国でもある。





どの国も、ロシアが世界の主要輸出国である燃料、食糧、肥料などを最も安価に入手できるという点で、すべての途上国と切実な利害を共有している。





そしてロシアに対する先進国の金融制裁を見て、中国をはじめ新興国は先進国通貨に依存しない決裁に取り組んでいる。BRICSも拡大しつつある。中国はインドネシア、カザフスタン、ナイジェリア、セネガル、タイ、UAEなど13カ国にBRICS加盟の申請を呼びかけている。





燃料、食糧、肥料という3つのFを輸入に依存する多くの途上国にとって、先進国が介入出来ない形においてロシアや中国との経済関係を強めることは、先進国の気まぐれによるグリーンな政策の押し付けや金融制裁に対する賢明な防御策に見えるようだ。





この動きが進むにつれ、先進国のロシア・中国との対決は、ますます困難になってゆく。





以上





トップ写真:ドイツで建設中の液化天然ガスターミナル。米国やカタールからのLNG輸入を可能とし、ロシアへの依存度を低下させる目的。(2022年7月16日、ドイツ・ヴィルヘルムスへーフェン) 出典:Photo by David Hecker/Getty Images




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