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学生向け住居への投資ブーム来る

Japan In-depth / 2022年7月31日 23時0分

学生向け住居への投資ブーム来る


中村悦二(フリージャーナリスト)





 


【まとめ】


・学生向けの住居やホテルなどレジャー関連施設への投資がブ ームとなっている。


・米国では住居費を含む生活費の高騰が続き、学生ホームレスが増えつつある。


・プライベート・エクイティ企業の学生向け住居関連投資は今年、すでに203億ドルを超えている。


 


学生向けの住居(student & college housing)やホテルなどレジャー関連施設への投資がブ ームとなっている。


米国の大手投資ファンドであるブラックストーン・グループが4月、学 生向け居住物件の取得・新規開発物件の賃貸・管理などを行うアメリカン・キャンパス・コ ミュニティーズを、この分野では過去最高額となる 128 億ドル(約 1 兆 7020 億円)で買収 することで合意。


シンガポールの外貨準備を運用している政府系ファンドの GIC は今春、 合弁会社を設立し、保有ベッド数が 2 万 3000 を超える英ストゥーデント・ルースト(Student Roost)買収で合意。GIC はまたオランダの年金ファンドとも提携し、欧州の主要都市で学生向けホテルを所有・運営しているザ・ステューデント・ホテル(TSH)に 21億ユーロ(約 2,900 億円)の資本参加、とこの分野に踊り出た。


米国での動きには住居費を含む生活費の高騰が続き、学生ホームレスが増えつつあり、州政府・連邦政府の対応を求める声が高まっていることが背景にある。欧州の動きは旺盛な学生向け需要を見込んだものだ。


米カリフォルニア州政府の立法分析局は 2022/2023年会計年度(2022 年 7 月/2023 年 6 月)向けのレポートの中で、学生寮など大学生向けハウジング・プログラムにおいて、カリフォルニア大学バークレー校、カリフォルア大学ロスアンゼルス校(UCLA)など同州の公立大学の最高レベルであるカリフォルニア大学システム(UC)ではすべての大学が同プログラムを有し、学部学生向けでは州全体の 37%を占めたが、同じくすべてが同プログラムを持つカリフォルニア州立大学システム (CSU)ではそのシェアは 15%程度、コミュニティ・カレッジ・システムにいたっては 1% 以下と指摘している。学内での生活費(住居費と食費)は、UC キャンパスで平均 1 万 7259 ドル(サンディエゴ校で 1 万 6145 ドル、バークレー校で 2 万 236 ドル)との学生調査データも示している。


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