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中国軍事演習の実態

Japan In-depth / 2022年8月10日 18時0分

中国軍事演習の実態




澁谷司(アジア太平洋交流学会会長)





【まとめ】





・中国軍の軍事演習は日本メディアが伝えているほど、深刻ではない可能性がある。





・中国は、ペロシ訪台は中国の内政に対する重大な内政干渉であり、台湾海峡の平和と安定に対する重大な脅威、と非難。





・中国は台湾と軍事衝突を生じさせる意図はなく、軍事演習は「(台湾封鎖)演習のプロセスを完了させることに重きを置き、紛争を引き起こさないようにした」との見方も。





 





我が国では、中国軍の軍事演習が台湾や日本に大きな脅威を与えていると報道されている。ところが、その演習は日本メディアが伝えているほど、深刻ではないかもしれない。





それを述べる前に、ナンシー・ペロシ米下院議長訪台後、米中間の“非難の応酬”について簡単に触れておこう。





今年8月5日、中国は、米国に対し、8項目の「対抗措置」を発表(a)した。





(1)米軍幹部との対話取りやめ。





(2)米国防総省との作業会合中止。





(3)海の安全巡る米国との会合取りやめ。





(4)犯罪対策の対米協力停止。





(5)不法移民送還に関する米国との協力停止。





(6)米国との司法協力停止。





(7)麻薬との闘いでの対米協力停止。





(8)気候に関する米国との協議停止。





また、中国外務省は、ペロシ訪台は中国の内政に対する重大な干渉であり、中国の主権と領土保全に対し重大な損害を与え、「一つの中国」の原則に対する重大な違反であり、台湾海峡の平和と安定に対する重大な脅威である(b)、と主張した。そして、ペロシ議長と直系尊属に対し、“悪辣な挑発行為”への制裁措置を発表している。









▲写真 ナンシー・ペロシ米下院議長が韓国にて地域の安全保障について語る。(2022年8月4日) 出典:Photo by Kim Min-Hee - Pool/Getty Images





一方、ホワイトハウスは秦剛駐米中国大使を呼び、台湾周辺での中国の軍事訓練という“挑発行為”に抗議した。また、ブリンケン国務長官は、ペロシ議長の台湾訪問に対する北京の反応が過度に“挑発的”だと非難している。





閑話休題。『中国瞭望』に「東部戦区でのシグナルの異常 演習計画が何度も変更される」(2022年8月8日付)という興味深い記事が掲載された(c)ので、紹介しよう。





昨今、両岸関係が緊迫する中、中国軍東部戦区は対台湾軍事演習を前に、異例の指揮官交代を行い、演習計画が何回も修正されたので、耳目を集めた。





8月3日、ペロシ議長が台湾を離れた後、習近平政権は台湾への報復として、翌4日から7日までの4日間、実弾軍事演習を開始した。





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