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中国軍事演習の実態

Japan In-depth / 2022年8月10日 18時0分

同5日、中国メディア『澎湃新聞』は今度の軍事演習前、王仲才が東部戦区の新海軍司令官に、梅文が同区新政治委員に就任したと報じている(政治委員は司令官の“お目付け役”)。通常、臨戦体制中に指揮官を交代させることは“軍事的タブー”とされる。





王仲才(59歳)は以前、東海艦隊に勤務していたが、2017年7月、海軍少将に昇進した。翌18年6月、機構改革で海警局が創設され、王仲才は同局トップとなっている。





他方、梅文(57歳)は空母「遼寧」の政治委員で、南海艦隊の某駆逐艦政治委員、駆逐艦某分遣隊政治部主任等を歴任した。





かつて元中国海軍司令部中佐参謀の姚誠(譚春正)は、中国軍内部には様々な派閥が存在すると暴露した。そして、姚誠は、習主席は福建省厦門にいた時、旧31軍集団と軍制改革後の 73軍集団とだけは、良い関係を築いていたと語っている。ただ、「海軍は元々、習主席の言うことを全く聞かない。海軍はずっと江沢民元主席の部下だった」という。





さて、東部戦区は台湾に対する威嚇的な軍事演習を行った。だが、4日間予定されていたミサイル発射訓練は、わずか2時間余りで急遽、終了した。発射された11基の東風短距離ミサイルは、すべて日米台の厳重な監視下にあり、ミサイルのデータは「完全に捕捉」されている。また、中国による軍事演習中、台湾の軍艦は中国軍艦を至近距離で監視していた。





8月7日、ロイターは、台湾海峡で中台の軍艦10隻が近距離で航行し、台湾の軍艦は中国軍艦が海峡の「中心線」を越えるのを、可能な限り監視・阻止した。けれども、双方は自制したと報じている。





台湾の軍事コメンテーター、亓(き)楽義はシンガポールの『聯合早報』に対し、北京は台湾と軍事衝突を生じさせる意図はなく、軍事演習は「(台湾封鎖)演習のプロセスを完了させることに重きを置き、紛争を引き起こさないようにした」と語った。





亓は、軍事演習中、中台は(双方共に)自制して「事故を起こさないように最善を尽くした」と述べた。しかし、習政権は今後、このような軍事演習をたびたび行い、台湾海峡の緊張を更に高める公算が大きいかもしれない。





同7日、中国の軍事演習は終了した。翌8日、東部戦区は台湾周辺の空域で実戦的合同訓練を継続し、対潜・海上攻撃共同作戦の組織化に焦点を当てると発表した。





他方、東部戦区は、渤海の一部で1ヶ月の軍事任務を遂行すると公表した。また、黄海南部の一部で、8月6日から10日間、実弾射撃が行われる。





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