中国への日米の対応の違い
Japan In-depth / 2022年8月10日 23時0分
この基盤にはトランプ前政権が2018年の国家防衛戦略で最も直截に表現したような中国との戦争を防ぐ最善の方法は「想定される戦争への準備をして、勝利できる能力を保持する」という抑止の原則がある。
この点、日本では中国の軍事力について、そもそも国会でもまずまったく言及しない。まして中国軍が日本の自衛隊と衝突した場合にどうなるか、などという議論はタブーのように避けられる。これこそが中国に対してのアメリカと日本との姿勢の決定的な違いなのだ。
アメリカ側の民間研究機関でも「米中戦えば」の具体的な研究は多い。ついこの7月下旬、ワシントンの大手研究所の「AEI(アメリカン・エンタープライズ・インスティテュート)」も「中国との長期戦争に備える」という長大な報告書を発表した。
2016年にランド研究所が出した「中国との戦争」という調査報告も大きな話題を呼んだ。
米中両国の対立にはこうした軍事衝突への危険が現実の可能性としてからむのである。この現実はこと中国への対応では、軍事という要素があたかも存在しないかのごとく、軍事忌避を通してきた日本もついに認識せざるをえないだろう。ワシントンではまずそんなことを痛感させられたのだった。
トップ写真:台湾の戦闘機がチハン空軍基地を飛び立つ(2022年8月6日) 出典:Photo by Annabelle Chih/Getty Images
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