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ドイツ戦後史とロシア系ドイツ人 戦争と歴史問題について その4

Japan In-depth / 2022年8月17日 23時0分

「歴史を見つめ直せ、と言うのなら、原発を止めた穴埋めにロシアから大量の天然ガスを買って、プーチンに莫大な外貨収入をもたらした、その歴史はどうなんだ、という議論は、結構ポピュラーになってきています」


というのが実情らしい。さらに、


「ロシア系ドイツ人のコミュニティーにも、深刻な影響が及んでいるみたいです」


とも聞いた。


ロシア系ドイツ人、というのは私にとっても新奇な知識であったが、1763年以降、多数のドイツ人が職や土地を求めてロシアに移住したが、前述のように2度の大戦でドイツとロシアが敵味方になったことから次第に差別を受けるようになり、ソ連邦崩壊後の経済的混乱もあって、多数がドイツへ「再移住」したそうだ。今やその数250万人に達するという。


在日のコリアンが50万人弱で、なおかつドイツの総人口が日本の4分の3ほど(約8324万人=2000年の統計)であることを考えると、相当な数字である。


そのロシア系ドイツ人のコミュニティーだが、年配の人たちは、そもそもロシア語が母国語になっていたという事情もあって、ロシア政府のプロパガンダを信じてしまう人も少なくない。ウクライナのゼレンスキー大統領が、NATO加盟の意向を示したことが戦争のそもそもの原因だ、というように。


これに対して、ドイツで生まれた若い世代は「ロシア憎し」の風潮に染まりやすい。世代が分断されてきている、というわけだ。


かつて同盟国として、ともに敗戦の憂き目を見た日本とドイツだが、戦後史の姿も、今次の戦争に対する見方も、同列に論じられるものではないのである。


トップ写真:ベルリンの戦いで壊された国会議事堂と人々(1945年7月1日、ドイツ・ベルリン) 出典:Photo by Galerie Bilderwelt/Getty Images


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