維新代表選【政策・人間力分析】その1 足立康史さん
Japan In-depth / 2022年8月24日 16時0分
2.国家ビジョンたる「税・社会保障・労働市場の三位一体改革」の再構築
3.責任ある原発・エネルギー政策に正面から挑む「グリーン・グロース戦略」の推進
4.国民と領土領空領海を守るタブーなき「安全保障戦略」の構築
5.大国日本の二大政党にふさわしい「政策立案機能(政党シンクタンク)」の強化
を掲げている。
特に、原発・エネルギー政策について、足立さんの「グリーン・グロース戦略」は興味深い。第一に、安全性が確保された原発の再稼働、老朽原発のリプレースを積極的推進するそう。第二に、グローバルな視点や持続性の観点で、排出権取引制度の導入推進、スマートグリッドの推進など「活力ある」グリーン成長を考えている。太陽光パネルなど自然エネルギーについては注文を付ける。「外資の大企業が地域環境破壊が甚だしい」と警鐘を鳴らし、「地域環境との調和」「地域住民の合意」が再生可能エネルギーを進めていくための条件だと言っているところはさすがである。
■ 足立プランの3つの特徴
これらの政策の特徴を見てみよう。第一に、政治改革。身を切る改革の徹底と適正化を掲げ、政治家改革に言及するなど本物感にあふれる。「政治資金パーティーの開催や領収書不要の政策活動費を認めるなど徹底さを欠いている」という問題意識のもと、徹底した 「身を切る改革」を断行すると決意。企業団体献金の抜け穴になっている政治資金パーティー禁止、領収書不要の抜け穴である「政策活動費(組織活動費)」の使途公開で政党幹部による政治資金の私物化を防ぐ、「政治資金私物化防止法案」を復活させるなどかなりの先進的な改革を提起している。
▲写真 出典:日本維新の会代表選挙候補者_足立康史_重点公約パンフレットより
第二に、地方分権について強調し、道州制を主張している。今やだれも言わなくなってしまったが、20年前、地方分権は政治改革業界のホットイッシューだった。それをこのタイミングで明確に主張している。持続的かつ効率的な広域行政システムを憲法改正で導入していくと具体的な進め方まで提示した。東京一極集中についての問題点を認識していたのも印象深い。さすが、みんなの党出身ということもある。
第三に経済政策。税制改革、社会保障制度改革、労働市場改革を三位一体で行う 「日本大改革プラン」を声高らかに掲げたが、選挙では大々的に訴えなかったという反省をまずしている。「社会保障制度、税制、労働市場が壊れているから、(経済)成長しない」という問題意識を持ち、積極的な提案が目立つ。
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