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2%インフレ目標実現後の日本経済のイメージ

Japan In-depth / 2022年8月30日 13時21分

昨年の夏の段階では、米国の中央銀行である連邦準備制度(FRB)も、当時のインフレ率の上昇は一時的と言っていた。その後、海外要因によるインフレ圧力の高まりが、国内の労働需給のタイト化の下で賃金形成にも反映され、あれよあれよという間に米国のインフレはホーム・メード化した。現時点でFRBは、景気後退のリスクがあっても、内生的なインフレ圧力が十分低下するまで、金融引き締めの過程を緩めることはないと明確に表明している。







▲写真 黒田東彦・日銀総裁 出典:Photo by Yamaguchi Haruyoshi/Corbis via Getty Images


日本と米国では経済の状況が違う。同じことがすぐに日本で起きると心配するのもどうかと思う。しかし、人々のインフレに対する感覚的な耐性もまた日本と米国は違うだろう。日本銀行法には「通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする」(第2条)とある。これは、「悪い」2%超インフレであっても、国民のウェルビーイングが損なわれるなら、日本銀行はアクションをとるという風にも読める。


もしアクションをとるべきでないなら、今の「悪い」インフレを我慢することの方が長い目でみてウェルビーイングが改善するという説得が重要になる。少なくとも、ここでの例で言えば、3%の賃金上昇、2%のインフレという経済状況に向け、どういう道のりをどれくらいの時間をかけて日本経済が辿っていくのかというビジョンについては納得したい。


また、どう判断するにせよ、まずは現在のインフレが続く期間が我慢できる範囲かどうかが問題になる。その際、米国で起きたことは日本でも起きる可能性があるという用心も大事だ。そして、国民がこれまで長いこと経験したことのないインフレをどこまで受け入れることができるかということも重要だ。確かに、円安だからすぐに政策変更という話にはならない。しかし、金融政策の真骨頂である臨機応変な対応をいつも考えているというメッセージが、マーケットのそして国民の安心に繋がるという面もあるのではないだろうか。


トップ写真:スーパーマーケット(イメージ) 出典:Photo by Etsuo Hara/Getty Images


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