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中国海軍、南シナ海で外国漁船を駆逐

Japan In-depth / 2022年9月17日 11時0分

中国海軍、南シナ海で外国漁船を駆逐




大塚智彦(フリージャーナリスト)





「大塚智彦の東南アジア万華鏡」





【まとめ】





・南シナ海で中国が国籍不明の漁船を追い払った。





・過去にインドネシアのEEZに中国船が入り、インドネシア政府が追い払ったケースも。





・中国は南シナ海で島嶼や環礁の軍事拠点化を進めており、周辺国や国際社会から批判が出ているがこれに応じない。





 




周辺諸国が領有権を主張している島嶼や環礁が多数存在し、一方的にほぼ全域で海洋権益を主張する中国との間で対立が続く南シナ海で、中国海軍が国籍不明の漁船を域外に追いやったことが中国側の動画で明らかになった。


中国人民解放軍が9月12日に明らかにした監視カメラの映像などの動画には中国が実効支配を続けて軍事基地化している南シナ海の「ミスチーフ環礁」の周辺で操業しようとしていた国籍不明の漁船を追い払った様子が映っていたと地元メディアは伝えた。


ミスチーフ環礁は小さな環礁だったが1994年以来中国が大規模な埋め立て、造成事業を行い現在では陸軍兵士らが駐屯し、港湾施設や3000メートル級の滑走路を有する空軍基地でミサイル発射装置などが建設されており完全な軍事基地と化している。


ミスチーフ環礁を巡ってはフィリピンの他に台湾、ベトナムが領有権を主張しているが中国は一顧だにしていない。


■ 南シナ海大半を自国権益圏と中国


中国は南シナ海の大半の海域を一方的に海洋権益が及ぶとする「九段線」を設定して外国船舶の航行や漁船の操業を牽制している。


南シナ海のこの「九段線」を巡っては2014年にフィリピンのベニグノ・アキノ政権が「九段線は無効で国際海洋法に照らして違法である」としてオランダ・ハーグにある「常設仲裁裁判所(PCA)」に仲裁を求める訴えを起こした。


PCAは2016年に「中国が主張する九段線は国際法上の根拠がなく、国際法に違反する」とする裁定を下したが、中国政府は一切応じず裁定を無視し続けている。


米やオーストラリア、英の海軍艦艇や航空機は南シナ海での「自由航行作戦」を実行して南シナ海が国際海洋法上の公海であることを訴えているが、中国はそのたびに「中国の主権侵害」だとして抗議する事態が続いている。


公開されたCCTV(監視カメラ)などの映像にはレーダーシステムと海軍艦艇の支援を受けた武装兵士が乗り組んだ船舶が操業する国籍不明の漁船を発見し、拡声器を使って執拗に追い回して「九段線」の外に出した様子が記録されているという。


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