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呆れたNHKのやらせ 根絶策は?

Japan In-depth / 2022年9月19日 11時0分

2つ目が、テレビ番組の制作に関わる人間のジャーナリズムに対する理解の欠如だ。BS1の担当ディレクターはスポーツ畑、この道20年のベテランだったという。ジャーナリストとして訓練された人間だったら、同シーンを番組に挿入すれば「オリンピック反対デモはカネで動員されたもの」という印象を視聴者に与えることになるから、ことさら慎重に取材を重ね、ウラを取るだろう。


もしこのディレクターが意図的にこのシーンを挿入したのではなく、なんとなく挿入したのだとしたら、ジャーナリスティックなセンスはゼロということになる。


テレビ局には報道局とそれ以外の番組を作っている局がある。報道局の記者達はデイリーのニュースに追われ、番組をじっくり作る時間はない。ドキュメンタリーやエンタメ系の番組は、民放もNHKも報道局以外の局のディテクターが作っていることが多い。また民放は外部制作会社を使っていることが多い。彼らの中には、ジャーナリズムがなんたるか、知らない者も少なくないと思われる。


日本民間放送連盟はかつて年に1回、全国民放の記者、ディレクター、カメラマン、アナウンサーら100名以上を集め、研修をやっていた。様々な分科会に分かれ、他の局の人間と議論することで、テレビジャーナリズムのあり方を見つめ直す機会としていた。これは非常に良い試みだと思う。


私はNHKも民放と一緒にこうした研修をやったらいいのではないかと以前から思っている。お互いライバル同士ではあるが、テレビジャーナリズムが危機に瀕している今、同じテレビの人間同士、議論を戦わす意味はあると思う。


さらにこうした研修に、制作会社のディレクターも招聘すべきだ。彼らは質の高いドキュメンタリーやさまざまな番組をつくっている。テレビ局員と共にジャーナリズムを学ぶ機会があってしかるべきだろう。


繰り返すが、第1次番組制作者が虚偽の情報を流す意図を持っている場合、それを防ぐのは極めて困難だ。結局、記者であれ、ディレクターであれ、カメラマンであれ、アナウンサーであれ、テレビ局員であれ、制作会社の社員であれ、およそテレビに関わる人間がすべて、「事実を正確に伝える」というジャーナリズムの原点に立ち返らなければ、やらせ・ねつ造は根絶できない。これまでとは違ったアプローチが必要なのではないだろうか。


トップ写真:NHK本社 出典:PhotoAC Ⓒ fuku41


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