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世界一幸せな国ブータンの観光振興策

Japan In-depth / 2022年9月20日 18時0分

TCBが9月17日に開いたインターネット・セミナーでの説明によると、SDFの支払いはビザないし入国申請時に電信送金あるいはクレジット・カードで、としている。


SDFは実質的には観光税といえるが、ブータンは国民総幸福量(GNH: Gross National Happiness)という独自の概念を提唱している。経済成長の観点を過度に重視する考え方でなく、経済成長と開発、文化遺産の保護と伝統文化の継承・振興、豊かな自然環境の保全と持続可能な利用、良き統治-を柱として、国民の幸福に資する開発の重要性を唱えている。


観光業も、環境保全、文化遺産の促進、主権国家の保護とGNHの実現のために力になっていくことが求められ、「High Value、Less Volume」の観光政策を採ってきている。


同国政府は、今回のSDFの大幅引き上げは、そのための一環としている。


観光業界からは、若者が豪州、中東へ出稼ぎに出かけてしまい、「労働力不足」との声も聞かれる。


ブータンを日本に初めて紹介したのは、中尾佐助氏(1961年に大阪府立大教授)の『秘境ブータン』(毎日新聞社1959年刊)。筆者が読んだのは、同名の現代教養文庫(世界文化社、1971年刊)だが、日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した本らしく、軽妙なタッチでブータンの自然、社会、文化を活写(現在、岩波現代文庫に入っている)。氏は後に西日本から台湾、華南、ブータン、ヒマラヤに広がる照葉樹林圏と植生日本との類似性をも論じた「照葉樹林文化論」を展開して話題となった。







▲写真 来日したジグミ・ケサル国王夫妻(2011年11月17日 東京) 出典:Photo by Jun Sato/WireImage


日本との外交関係樹立は1986年3月。日本は2007年11月のブータンの総選挙時には、公正・円滑実施に向け100万米ドル強の緊急無償支援を実施。一方、ブータンは2011年3月11日の東日本大震災に際し、翌12日にジグミ・ケサル国王主催の祈りの式典を行い、義援金100万米ドルを寄付した。同年11月には外交関係樹立25周年を記念して国王夫妻が国賓として訪日。その折、王妃が「ユニクロに行きたい」といったことが、日本の茶の間で、ほほえましい、と話題になった。


ブータン旅行には、トレッキングもある。高価な上に狭い枠とはいえ、GNHの現状に触れてみては、いかがだろうか。


トップ写真:標高約3000m以上の切り立った岩壁に建つチベット仏教信仰の聖地、タクツァン僧院と若い僧侶。ヒマラヤの山々を望むブータンは観光立国でもある。(2008年 ブータン・パロ) 出典:Photo by Paula Bronstein/Getty Images


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