習近平主席の中央アジア歴訪
Japan In-depth / 2022年9月21日 11時0分
澁谷司(アジア太平洋交流学会会長)
【まとめ】
・習近平主席は中央アジアを歴訪し、カザフスタンのトカエフ大統領やロシアのプーチン大統領と会談を行った。
・上海協力機構の首脳晩餐会には代役の王岐山国家副主席が参加した。
・習近平主席の不在中、中国国内では「ゼロコロナ政策」がらみの事件が起きており、本来“余裕”な時期のはずの渡航が“異例”の事態続きとなった。
既報の通り、今年(2022年)9月9日、中央政治局会議が開催された。
普通、同会議は、月の下旬に開かれる。前回、8月30日に開催されたが、今回、そのわずか10日後だった(a)。
政治局会議が上旬に行われるのは異例である。ただし、習近平主席渡航のため、時期が前倒しされたとも言えなくもない。
更に、共産党ナンバー3の栗戦書が外遊に出ていて、会議を欠席した。これも異例である。
さて、習主席の中央アジア歴訪時、様々な出来事が起きているので、紹介したい。
9月14日、習主席がカザフスタンを訪問した際、CCTVはそのニュースを単に読み上げただけだった。主席はテレビ映像に全く登場(b)していない。これは、国家元首の重要な対外行事として極めて異例で、主席就任以来、CCTVによる前例のない対応だった。
次に、習主席はマスクを着用して、カザフスタン側の出迎えを受けた(c)。トカエフ大統領をはじめカザフ側は、主席に敬意を示し、全員、マスクを着けていた。
けれども、トカエフ大統領は、習主席以外の首脳と接見する際、マスクを着けていなかった。同様に、同大統領と面会した海外首脳も、一切、マスクを着けていなかったのである。
翌15日、習主席はロシアのプーチン大統領とウズベキスタンのサマルカンドで会談を行った。プーチン大統領は冒頭で、「ウクライナ危機に関する中国の友人たちのバランスの取れた立場を高く評価する」(d)と述べた。一方、習主席は、中国はロシアと協力して「大国としての責任を果たし、激動する世界に安定をもたらす」考えがあると語った。
両首脳は、ロシア・ウクライナ戦争で生じた世界経済の不確実性の中、「激動する世界に安定を吹き込む」事を約束したという。
今年2月に行われた両首脳の会談で「無制限」のパートナーシップ開始が宣言された。だが、今度の会談を見る限り、将来、それが本当に実行に移されるのか、疑問符が付く。
同日、上海協力機構(SCO)の首脳晩餐会が開催されたが、習主席は欠席した(なお、インドのモディ首相も欠席している)(e)。
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