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労働生産性上げる為、人への投資を 【日本経済をターンアラウンドする!】その1

Japan In-depth / 2022年9月22日 21時0分

労働生産性上げる為、人への投資を 【日本経済をターンアラウンドする!】その1




西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)





【まとめ】





・先進国の中で労働生産性が低い日本。





・労働生産性が向上すれば賃金に振り向ける原資が確保できるし、賃金上昇につながる。





・イノベーションを起こす以前に、ダイバーシティのある職場で労働生産性を上げることが大前提。





 




円安、物価高、経済停滞などなど経済的にも苦境が続く日本経済。そして、参議院議員選挙が終わり、「黄金の3年」を迎えた岸田政権。そうした中で、日本経済の課題に向けて危機感は共有されつつある。そうした中で「日本をターンアラウンドする」連載企画を始めることにする。


筆者は日本経済をターンアラウンドする「ターンアラウンド計画」を策定した(以下図)。


「オワコン化」した日本経済を救うにはこうした多くの取組みが必要になってくる。それぞれ考察していきたいが、第一回として焦点を当てたいのはやはり「生産性」である。







▲図 【出典】株式会社ターンアラウンド研究所作成


□ 低い労働生産性をどうにかしないと・・・


以前にも書いたが、先進国の中で労働生産性は低い。2021年度の日本生産性本部の分析報告によると、「日本の1人当たり労働生産性は、78,655ドル。OECD加盟38カ国中28位」である。もちろん韓国より低く、ギリシャやポーランドと同程度である。アメリカと比較しても、56%というほどである。







▲表 【出典】新しい資本主義実現本部/新しい資本主義実現会議、会議資料


労働生産性とは何か。以下の図で示したように、労働生産性=付加価値/労働投入量という式で表される。付加価値は売上高―売上原価、労働投入量は労働者数のようにイメージしてもらえるとわかりやすいだろう。この指標は、労働者が付加価値を生み出すため、どれくらい効率的に行動できているかを示すものになる。なぜ重要なのかと言うと、労働生産性が向上すれば賃金に振り向ける原資が確保できるし、賃金上昇につながるからだ。







▲図 【出典】筆者作成


業種別にみていくと、やはり産業によって大きな差が見られる。







▲表 【出典】経産省HP「規模別・業種別での労働生産性の比較」より筆者がデータ加工


業種で見ると、大企業だと学術研究 専門・技術サービス業、情報通信業、不動産, 物品賃貸業の順。中小企業だと卸売業、情報通信業、学術研究 専門・技術サービス業の順である。もちろん生産性を高める余地があるのは多くの産業になる。ただ、生産性の高い産業に集約する、労働者を移動させていくような産業構造改革を促すのも必要だろう。


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