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習近平主席「軟禁」説の検証

Japan In-depth / 2022年9月27日 18時0分

第3に、同日(現地時間)、王毅外相は、ニューヨークで米国の経済貿易実務担当者と会談した。その際、王外相は(現在、米中関係は国交樹立以来、最悪とも言える状況だが)中国の「5つの確実性」について説明(d)した。その中の2番目に、北京による「改革・開放」への決意は確かだ、と強調したのである。これは、今の習近平政権では、奇妙な主張ではないだろうか。







▲写真 ニューヨークを訪問中の王毅外相(2022年9月22日 米・ニューヨーク) 出典:Photo by Michael M. Santiago/Getty Images


第4に、9月21日、中国共産党の国防・軍事改革に関するセミナーが北京で開かれた(e)。


珍しく、習軍事委主席が欠席(主席に近い魏鳳和・国防部長も欠席)した。だが、主席は、軍に対し戦争の準備と戦闘に集中するよう指示を出している。


当日のCCTVニュース映像では、李橋銘が最前列に座っているのが映し出された。これは誠に不思議な光景ではないか。


9月8日深夜、前北部戦区司令官だった李橋銘は、習主席への軍権譲渡を拒み、内戦を起こした。同日昼間、習主席は李の代わりに王強を新しく北部戦区司令官に任命している。したがって、李橋銘は失脚したと考えられていた。


ところが、今回のセミナーでは、なぜか最前列に登場している(第20回党大会後、まるで李橋銘が軍事委副主席へ昇格するのを暗示しているかのようである)。


第5に、9月23日、中央軍事委員会弁公庁が「その人は、コントロール下にある」というニュースを流した(f)。「その人」とは、意味深長な言い回しだが、おそらく習主席を指しているのではないだろうか。


第6に、同日付『人民日報』に、「新時代の強軍改革の偉大な実践―国防・軍事改革を深化させた党中央と習主席の指導についての概説―」という論考が掲載(g)された。


本来、これは習主席を礼賛する論文だった(a)という。ところが、サブタイトルの初め、すなわち主席の前に「党中央」の三文字が入っている。これによって、「党中央」がすべてを指揮しているという事を示すと考えられないだろうか。




 




〔注〕


(a)『万維ビデオ』:「元老たちによる習近平“自宅軟禁”暴露、官製メディア、習近平から軍権奪取の暗示」(2022年9月22日付)


惊传元老出手 官媒重磅文章暗示习被夺军权


(b)『万維ビデオ』:「第20回党大会の前に、中国共産党のベテラン、宋平が登場し、改革・開放を語ったが、削除される」(2022年9月19日付)


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